第2話 世界の終わり

 飲み込まれそうになる程、星の1つ1つが輝く夜だった。

星々を見上げながら、私は彼に言う。



「今日は星も月も綺麗だね」



 彼は屈託のない、それこそ一等星より眩しい笑顔で返事をくれる


「そうだね、すごく綺麗!」


きっと、こいつは意味をわかっていない

でも、わかってないままでよかったとも思った。



 星の1つ1つが、眩しいくらい輝く。


朝のニュースの音声が脳内で流れ初めていた。


『本日は地球が滅ぶと予言された日だそうです。信じるも信じないも、画面の前のあなた次第です。今日も一日頑張りましょう!』



 そのニュースを聞いて、後悔したくない

伝えなくちゃいけない、と思って彼をここに呼んだ



「・・・ねぇ、もし本当に地球が滅ぶとしたらさ」


彼は口をひらく


「一等星に家を建てようよ、そこでさ二人で暮らそう」


「・・・実は、僕、君のことが」



 その瞬間星が強く強く、太陽よりも輝いた。

目の前が眩しさのあまり真っ白になっていく。

あぁ、これが終わりなんだ。


できれば、最後に聴きたかったな。言いたかったな。


私、貴方のことが好きだったよ。



真っ白な中に意識を落とした。




 目を覚ます。

そこはお花畑でも、雲の上でもなかった。


なんて事もない、ただの病院だ。


何人かの相部屋のようで、誰かが見ているニュースの音声が聞こえる。


『先日の星が強く輝いた日の夜から、なぜか全世界の男性が亡くなっていくという現象が起こっております』


『速報です。地球上に残っていた最後の男性が亡くなったそうです』

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