第15話

幸繁はベースの拠点から少し離れて農業用の設備を作ることにした。

これはリスクを分散する為だ。

1か所にまとめて作って隕石などがぶつかったらそれだけで生命線である食料が亡くなる可能性もある。

それを考えたら少し離れた位置に作るというのは悪い選択肢ではないはずだ。

後はないとは思うが施設内で病気が流行る可能性もある。

別々に設備を作っておけばそれも回避できるだろう。

設備の維持には燃料が必要だが最終的には農業用の設備を5か所ぐらい確保する予定だ。

これだけ農業用の設備を確保すれば食糧を気にしなくてよくなるだろう。

燃料については資源に余裕が出来たら採集用のツールを増設してやればいい。

全ての作業を終えた幸繁は今日も原生生物が確認された星へと向かった。

今回は少ない資源をやりくりして情報収集用のドローンも用意した。

この情報収集用のドローンは自動で動き燃料が少なくなれば自動的に戻ってくる高性能な1品だ。

幸繁は前回と同じ場所に宇宙船を降下させるとドローンを解き放つ。

この間に水と酸素を収集する。

出来ることを全てやったので今日もこれから銃の練習だ。

的を設置して愛銃であるベレッタを抜く。

狙いを定め引き金を引く。

ベレッタから弾が発射され的とは全然違う場所に着弾する。

それでも幸繁は気にせずに弾切れまで引き金を引き続けた。

弾がなくなれば弾を装填しなおして再び的を狙う。

そろそろ弾が尽きるだろうという頃にようやっと幸繁は的の端ではあるが的に命中させることに成功した。

「よしよし。練習を続ければなんとかなりそうだな」

幸繁はそんなことを考える。

その後も弾がなくなるまで幸繁は射撃を続けた。

「そろそろ帰るかな」

幸繁は酸素と水の収集具合を確認してちゃんと確保できていることを確認する。

解き放っていたドローンはずいぶん前に帰還していたので忘れ物もない。

幸繁は宇宙船に乗り込むとそのまま惑星を後にした。

ベースを目指しつつドローンの持ち帰ってきた情報を確認する。

するとドローンのデータには何種類かの生物が確認できた。

なんだこれ?と思うような生物からどこか地球で見た生物に近い物までいる。

まだ狩猟に出るだけの自信はないが将来的には狩って食卓に並べたい。

今のところはベレッタでも対応できそうな生物だけだ。

威力が足りなければ他の銃器を確保する必要もあったがこれならなんとかなりそうだ。

とはいえ、保険は必要だろう。

もう少し威力のでかい銃を確保してもいいのかもしれない。

その銃を何にするか考えながら幸繁はベースに帰還した。

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