第13話
幸繁はやる気に満ちていた。
当てもなく宇宙を彷徨うよりもやるべきことが明確になったからだ。
資源については採掘ツールに任せるしかないが幸繁はこの間に水の確保と酸素の確保を済ませることにした。
水については幸いなことに事前に行った調査で目途がついていた。
調査した星の中に水がある惑星があったのだ。
有害物質などが含まれている可能性もあるが有害物質を除去することは可能だ。
幸繁は水を確保するために移動を開始した。
水のある惑星に到着した幸繁は降下を開始する。
降下しつつ大気の分析も同時に進める。
そこで新たな事実が判明した。
微量ではあるが酸素も存在していたのだ。
この濃度では人が暮らすのは不可能だがそれでも抽出できるのはありがたかった。
降下が完了したので水の採取を開始する。
成分を確認したがこの水を普通飲めば人を害するのは間違いない。
だが、有害物質を除去すれば十分利用可能だ。
水を採取しつつ酸素の採取も同時進行で行う。
後少しで作業が完了するというタイミングで幸繁は危機に見舞われていた。
なんとこの星には原生生物が存在していたのだ。
幸繁を見つけると真っ直ぐ近づいてくる。
幸繁は危険を感じ取り宇宙船に立てこもる。
原生生物はしばらく宇宙船のまわりをうろうろしていたが立ち去って行った。
「助かった・・・・。だが、そうか。この環境に適応した生物がいるのか」
水と酸素を確保できる有力な星だと思ったがあんな原生生物がいるなら注意して行わなければならない。
そんなことを考えている間に水と酸素の確保は完了した。
幸繁は宇宙船に乗り込むと引き上げることにした。
今の幸繁は武器と言えるようなものを所持していない。
自分の身を守ることを考えれば何かしら武器が必要かもしれない。
ベースに戻ったら何か作れないか考える必要があるだろう。
「それにしてもあれ食えるのかな?」
幸繁の興味はそこにあった。
成分分析をする必要はあるだろうがそれでも肉が食べられるかもしれない。
狩るにしても危険はあるがそれでも試してみる価値はあるだろう。
ベースに戻ってきた幸繁はAIに武器になりそうなもののリストを出してもらう。
リストの中には旧式ではあるが銃も存在していた。
他にも剣やら槍やらあったが幸繁は武術の達人というわけではない。
そんな物を作っても役に立たないだろう。
せいぜい、解体用としてナイフを1本作るぐらいだ。
幸繁は迷わず銃を選択して制作を開始した。
材料はAIが作ってくれるが組み立て自体は幸繁が行う必要がある。
悪戦苦闘しつつも何とか銃を組み立てることに成功した。
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