ドラゴン
俺はドラゴンがいる湖を目指して歩いた。その途中、俺は何体もの魔物を蹴散らし、そのたびに金を奪った。
「ドラゴンは簡単に倒せるのか?」俺はネズミに聞いた。
「ドラゴンは不死身です。倒すことはできません。しかし、強い者には従います」
湖に着くと、そこには灰色のひげを生やした爺さんがいた。俺は話しかけた。
「こんにちわ、爺さん。ドラゴンはどこだ?」
「ドラゴンはどこだ、だと?」爺さんは俺をあざけった。「この愚か者め。わしがドラゴンだ」
「笑えない冗談はよせ。お前は今にも死にそうだぞ」
「その偏見とともにお前を地獄に送ってやる」
そう言い捨てると、爺さんの体が光りはじめた。そしてまばたきをする間に、爺さんは大きなハエのような姿となった。かなり下品だ。
「これがドラゴンか?」俺は悪態をついた。「ただの大きい虫けらめ。ゴミ箱の上を飛んでいろ」
「恐竜のような姿を想像していたか? 古い常識にとらわれるな!」
ドラゴンはそう叫ぶと、俺に向かって突進してきた。かなりの加速だ。しかし、俺は大剣を抜くと、ドラゴンより早く切りつけた。ドラゴンは悲鳴を上げた。
「くそ! しかし、わしは不死身だ。お前に殺されることはないだろう!」
「あと何回切ってほしい? みじめなペーストにしてやる。そうなったら、もう偉そうなことは言えなくなるぞ!」
「バカげている! わしがこんな愚か者に負けるとは!」
ドラゴンは悪態をついたが、やがて光を放って爺さんの姿に変化した。今にも死にそうな顔をしているが、死ぬことはできない。不死身だからだ。
ところが、そのとき遠くから恐ろしい声がした。
「何をしているドラゴン。それでも不死身の怪物か」
「ダークキング陛下!」
すぐに猛烈な風が吹き、爺さんは枯れ枝のごとく吹き飛ばされた。そして俺の前には、脂ぎった嫌らしい髪の男が立っていた。
「俺はダークキングだ。お前がドラゴンを追い詰めたのか」
「簡単なことだ。この湖にいたのは俺と爺さんだけだ。そして爺さんは死にかけた。これが何を意味する? 二足す二をするより簡単だ」
「興味深い。だがここまでにしておけ。さもなければ、次はお前が死ぬ」
「黙れ独裁者!」俺は怒鳴った。「俺はおまえを倒すためにここに来た! 決着をつけるぞ、ダークキング!」
俺はダークキングに切りかかったが、ダークキングは分身した。無数の嫌らしい男が俺を取り囲む。俺は吐き気がした。
「臆病者! 俺と戦え、ダークキング!」俺は叫んだ。
「ハハ! お前が死を望むなら、俺の城へ来るのだ。そのとき、我々の最終的な決着に至るだろう」
笑い声とともにダークキングは消えた。最終的な決着に至る、だと?
「ダークキングの城へ行くぞ。ネズミ、道を教えてくれ」
俺は馬に揺られながら、ガタガタと震えていた。しかしそれは怖いからじゃない。運命の力を感じたからだ。
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