第8話 クレアとルナ

シスターが「クレア、カナメとルナを部屋に

案内してくれますか?」

「はい。シスター。」

「シスター、僕はもう少しシスターと話しがしたいです。大丈夫ですか?」

「わかりました。クレア、ルナをヨロシク。

八太郎、同じ部屋のカナメは私が後から案内します。先に部屋に戻ってなさい。」

「はい。シスター。」

ルナはクレアの後を歩いて行く。

「ルナ、私と同じ部屋よ。」

「私は大丈夫だけど、クレアあなたは大丈夫なの?プライベートがなくなってしまうんじゃないの?」

「プライベート?はじめからそんなもの私には無いわ。ここは教会で孤児院よ。

ルナも気づいたでしょう。この教会の門には境界線があるの。

外の世界からは廃墟的な教会にしか見えない。

だからこの門の中、教会の子供たちの姿も見えない。」

「クレア、あの子供たちもハック星人?」

「違うわ。この長崎の孤児よ。

よく見て、明治の長崎は地球でも特殊な場所よ。いろんなものが吸い寄せられくる。

地球人にも色々な種族がいるわ。」

クレアは子供達の寝ているベットの脇を歩きながら、布団の掛け直しをする。

離れている子供の布団は魔法陣を使って

パパッと直す。

クレアの魔法能力高そう。

見惚れているわたしに、

「ルナほら、よく見て目の色も髪の色も違うでしょう。これが混沌。明治の長崎の現状よ。」

1人の男の子がおきていた。

「ハヤト、早く寝なさい。」クレアが注意する。

「はーい。クレア、そのお姉さんは?」

クレアが話す前に「私はルナ。私もここで暮らすの。ヨロシク

「わーい。お姉さんが増えた!」

「お姉さん?」ハヤトの言葉が心地よく響いた。

クレアが「ハヤト、早く寝なさいよ。」

「はーい。お休みなさい。」

「クレアは優しいのね。」

「優しい?その言葉は大嫌い。言わないで。

偽善的な言葉よ。

ルナ、あなたも孤児でしょう。

だったら、たやすく優しいって言葉は使わないことね。」

そうだった。

私はカナメと海賊制令部隊長ジャンボに拾われたんだった。

親なし。人を信じない。父に拾われて普通の

生活に慣れてしまっていた。

クレアは見抜いたんだ。私の弱いところ。

深いところで、クレアと私は同じ。

私は思わずクレアに抱きついた。

「大好きよ。クレア。ありがとう。」

いやそうにクレアが私の手をほどく。

「ルナ、変な子ね。」そう言った横顔が少し柔らかく見えた。

2人は部屋に入っていった。

その頃、僕はシスターと2人。

「シスター、あなたは本当は誰なんですか?」

「私はただのシスター。ハック星から来たシスターよ。」



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