第6話 黙れ

「カイイイイン…」コーニが引き延ばした。「今、実は夜なんだけど。みんな寝てる。なのに私たちはこの街をゴキブリみたいに這ってる。」


カインは黙って歩き続けた。


足音は速く、正確だった。


目は壁や反射、屋根を滑るように移動していた。


「真面目に、」コーニはしつこく言った。「一体どこにそんなに急いで行くんだ?」


彼は答えなかった。


「ねえ、」コーニの声が鋭くなった。「たまには私のことを考えてる?私はお前の影じゃない。人間なんだよ。足だってあるし、ちなみに言うと、すごく痛い!」


カインは急に立ち止まった。


コーニはほとんど彼にぶつかりそうになった。顔をしかめて、彼の隣に立った。それでも話し続けた。


「それに、せめて—」


彼は屋根を素早く一瞥した。何かを探しているかのように。その目が鋭くなった。


「黙れ。」


彼女は固まった。反論しようと口を開いたその瞬間、カインは一気に前に飛び出した。


彼女の襟を掴み、勢いよく引き寄せて脇に投げ飛ばした。


その場所に、槍が飛んできた。


鋭く音を立てて地面に突き刺さった。砂が舞い上がり、金属の音が響いた。


コーニは倒れた。


咳き込んだ。


振り返ってみると、彼女はそれを見た。


屋根の上に。細長い、痩せた体の影がいくつも。黒く裂けたマントを身にまとって。


顔には白い仮面があった。滑らかで、骨のような形。口はなく、目のための細い穴だけが、切り傷のように引き裂かれていた。


マントは夜風に揺れていた。


その影から落ちる影は、まるで刃のようだった。


その影たちは動かない。ただ見つめているだけだった。


カインは腕を後ろに伸ばし、彼女の肩に触れた。


優しく、しかし強く、彼女を背後に引き寄せた。


一言も発しなかった。


周りのすべてが静止したようだった。


そのうちの一つの影が一歩前に出た。屋根からバルコニーへ。バルコニーから壁へ。その後、地面に。


音を立てず、柔らかく。


まるで煙のように。


カインは剣を抜いた。布が刃から滑り落ちた。


黒い金属、その刃はひび割れた網のように覆われていた。


まるで千の戦いを生き抜き、なお飢えているかのように。


コーニは固まっていた。


敵は近づいていた。


「誰だ…?」彼女はささやいた。


カインは答えなかった。


彼はその者たちが誰かを知らなかった。


だが、戦いが迫っていることは分かっていた。


そして、彼は準備ができていた。


仮面の人物がさらに近づいてきた。


マントが砂を引きずるように、夜を引きずって。


そのとき、声が聞こえた――かすれて、鈍く、水の中からのささやきのように、街を横切った。


「メメントはお前たちを見ている。そして、すべてを覚えている。」


一瞬の静寂。


その静寂の中で、氷のような寒さが走った。


まるで、街自体が自分の声に耳を澄ませて、息を止めたかのように。


「ようこそ、親愛なる旅人たち。」


コーニはびくっと震えた。


脳の奥深くで、思考がかすかにかゆくなるような感覚があった。それは彼女自身のものではない考えだった。


何か他のもの…


名前をささやく。それは彼女が知らない名前。


優しさと確信を持って。


まるで、彼女のことを彼女よりもよく知っているかのように。


彼女の指がぎゅっと握りしめられた。


心臓が一瞬、止まったかのように感じた。

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