第26話 学園生活(Ⅰ)
■■Evolution:05-06 Intermission「学園開放」■■
俺の高校生活がいきなり
スマートフォンに送られてきた通知。俺の通ってきた学校は
俺達はスラム寸前の貧困地区、最底辺高校からその真逆、山の手のセレブが通うスーパーセレブリティー学園の旧校舎を使用させて貰える事となり、今日から全生徒が通い始める事になったのだ。
新人類時代、市民の殆どが住んでいる「首都島」、島一号(アイランド1)から海上を走る直通の超音速リニアモノレールで約1時間。遠く離れた島七号(アイランド7)。
開発が始まったばかりの自然豊かな群島だ。
「やっぱスゲーな。アイランド7」
「ああ、まだこんなに自然が残ってるんだ、此処には旧人類時代(アンダーエイジ)、最終戦争の影響は無かったのかなぁ……ってまさかおめえアイランド7来たことあるのか?」
「ま……まあ、訳あって」
制服姿の俺と「級友」はエメラルドブルーの珊瑚礁。周囲を見渡した。アイランド7は旧人類時代、ヨーロッパ、南国リゾート地のような雰囲気を漂わせている。
自然豊かな群島、数多くのセレブ達は首都島からアイランド7へ移住しており、群島で一番大きな島が丸々一つリゾート地、セレブ島、最高級住宅街になっていた。俺がエヴォピンクと出逢ったのもアイランド7のとある小島だったはずだ。
中心、セレブ島の森。小高い丘の上ファンタジー世界のお城みたいな新校舎がそびえ立っている、俺達が通う事になった旧校舎は丘の麓、昨年までは利用されていたという、木造の素朴な校舎。それでも設備類は俺達が通っていた校舎より遥かに立派だった。
授業が始まる。
「で、あるからして……」
相変わらず、「教師」の授業は眠気を誘う。クラス編成も同じ、「級友」も「委員長」も同じクラス、真面目に授業を受けている眼鏡美人の委員長を惚けた表情で見つめる級友。
俺は窓の外を見つめていた、風景はずいぶんと変った。此処からは軌道エレベーターは見えない。目立っているのは丘の山頂、スーパーセレブリティー学園の立派すぎる新校舎。
「上級市民様の住むお城か……ふ~ん」
放課後、ラクビー部に向かう「級友」。教科書類を纏め、「委員長」も帰宅準備。俺も昇降口へ向かう。本日もまた召集があるだろう。
だが、暇な学生である俺は校門へ向かわず、そのままグラウンドへ向かった。
旧校舎と新校舎を隔てる巨大なフェンスが延々続いている。俺達が旧校舎を使用する為急遽建設されたと言われている壁だ。
「高えなぁ」
壁の高さは約5メートル、フェンスの先端を見上げる。庶民とセレブを隔てる壁。一体何からセレブを守っているのだろうか?
「向こうに行く気なんてねーよ」
俺は意味も無く叫んだ。そのままフェンスに沿って歩く。向こう側は多分異世界。
「これが格差社会」
スーパーセレブリティー学園に通っている連中は一体どんな連中なのだろう。ロザリーみたいにいきなり殴りかかってくる暴力的な……
「いた! 庶民」
セレブリティー学園内でも更に特別、ド派手制服姿。ロザリーが震えながら俺を指差していた。かなりの距離がある。良く見つけた。
「そこで待っていなさーーーーい、絶対待ってなさい、一ミクロンも動いちゃダメ。理事長命令っ」
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