第33話 石、投げられる
貴方は自分の親が世間様に恥ずかしいと
思った事は、ありますか。
私が4歳のとき、公園で遊んでいると
近所の子供が
「おまえ、もらいっ子なんだってなあー」
と軽蔑のまなざしで言ってきた。
私は養子でもらわれてきた子供だった。
母親は自分のいう事を何でも聞く
ロボットが欲しかっただけだった。
当時、私は、もらいっ子が何のことか
わからなかった、けど何か
『悪いことなのかな』と思い
「もらいっこじゃないもん」と返すと
「うちの父さん言ってたもんね
お前、もらいっ子だって」
「もらいっこじゃないもん!」
私は泣いていた・・・
そこの家では相当な悪口を言われてたんだと
思う。
多分、私の母親が異常者だったからだ。
それを聞いた子供がイジメてきたのだが
私は彼に何も悪いことはしていなかった。
すると
他の子供たちも集まってきて
「もらいっこ!もらいっこ!」と大合唱が
始まった。
その中には女の子も混じっていて
10人は居たと思う。
逃げると、みんなで石を私に投げてきた。
家の前につくと誰かが投げた石が玄関のガラス
に当たって割れてしまった。
割ったのは近所の女の子だった。
母親が家から出てきて怒鳴り散らし
近所の子供たちは
「こどものケンカに親が出たあー」と歌いながら
逃げて行った。
なんで、こんなことになるのか理解不能に
なってしまった。
夕方、ガラスを割った子が親に連れられ
謝りに来た。
10年後、私は母の日に「たい焼き」を買って
母にプレゼントしたが驚いたことに
「なんだ、たい焼きか」と
私の目の前でソレをゴミ箱に捨ててしまった。
私は自分の親ながら
「ヒドイ人だなあ」と思った。
そりゃ石も投げられますぜ・・・
ある日、当時付き合い始めた女の子がいて
ひどく機嫌が悪かった。
「あたし、あんな、お母さん居る人無理」
と交際を断られてしまった。
要はフラレた。
理由を聞くと
「アスマさん、いらっしゃいますか」と電話したら
「うちの息子に何の用だ!」と怒鳴り散らされたらしい。
もう謝っても無駄だった。
恋した人に
「あんな親なんてアンタかわいそうな人だね」
と言われてしまった。
これからという青春のデリケートな時期。
どんなにショックだったか
どんなに親を恨んだか
他の家の人たちが・・・普通の人が
うらやましかった。
よくグレもせず、犯罪も侵さず
親に暴力も振るわなかったと
自分で思う・・・
もう、とにかく頭がおかしい
常にヒステリー・・・他人の気持ちがわからない
嫌なエピソードなら1000も5000もある。
時々、母親の悪口を言うと
「自分のお母さんを悪く言うもんじゃないよ」
と言う人がいる。
「それじゃあ・・・」と話して聞かせると
「えーっ!」と
皆、黙ってしまう。
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