第35話 食材整理

 チカトからヴィリジアンヴィレッジへ湖面を走る。

 帰りは魔力ぎれ1回で走り切ることができた。魔力の最大値がかなり上がっているみたいだ。


「ふむ、魔力・体力・筋力そこそこに基礎が仕上がって来たようじゃな。よし、明日より戦闘訓練を始めるぞ。」


 のんびり異世界ライフがどんどん遠のいていく。とはいえ、魔物がうろついている場所で戦う術がないと、ただただ死ぬだけだ。ミコト様曰く、神の頂内の魔物はもっとも弱いらしいので、世界を見て回るには、それなりの実力が求められる。


 現時点で、俺は、ヴィリジアンヴィレッジの中で最弱の自信がある。ダーシュはもちろん、フクさんもドルフ村長も水面を歩いたり走ったりするのは造作もない。忍者の里なのではないかと疑いたくなる。そんなことの考えていたら村に到着した。


「時にアキラよ。お主が腰に下げておる皮袋に乳を詰めておったが、それはなぜじゃ?」

「濃厚なミルクを振り続けると脂肪が固まってバターができるんだ。」


 そう、どこかの雑学で、皮袋にミルクを入れてラクダに吊るして旅をしていたら、固形になったことから、バターが生まれたというのを見たことがある。どうせ帰りも湖面を走るのであれば、その振動を利用してバターを作ろうと思ったのだ。


 案の定、皮袋の中にバターができていた。また一つ食材ゲットだぜ。


 ということで、今までに手にれた食材等を整理していこう。


 ◆伝説級の食材

 ワルド:世界樹の実。魔素を抜かないと食べられないほどエグい。

 世界樹の雫:ワルドの果汁から作ったシロップ。最上級の回復薬にもなる。

 世界樹の宝石:ワルドの果肉から作るゼリー。最上級の回復薬にもなる。


 ◆魔物関連食材

 ホーンラビット/肉:野生のホーンラビットを狩ることで入手。

 クッカ鳥/肉・卵:グリーンウッドの森に生息。村で飼育模索中。

 ビックボア/肉:グリーンウッドの森に生息。村で飼育模索中。

 ブラックマス/魚:天の湖に生息。


 ◆野菜類

 穀物/麦、コメ:ヴィリジアンヴィレッジで生産。

 野菜/人参、ジャガイモ、さつまいも、玉ねぎ、キャベツ、トマト:ヴィリジアンヴィレッジで生産。トマトは生産模索中。

 果実/レモン、りんご、いちじく、ざくろ、柚子、オリーブ:グリーンウッドの森で採取。オリーブはヴィリジアンヴィレッジで生産模索中。

 キノコ/椎茸、えのき、舞茸、しめじ、松茸:グリーンウッドの森で採取。

 ハーブ/ローズマリー、タイム:ヴィリジアンヴィレッジに自生。


 ◆乳製品

 牛鬼ミルク:チカトで生産。

 ゴーダチーズ:ロストフォレストで生産。

 バター:牛鬼ミルクを振ることで作成可能。


 ◆調味料

 塩:岩塩から抽出。

 酢:ロストフォレストで生産。雑穀

 オリーブオイル:オリーブから作成。

 砂糖:サトウキビから生産。サトウキビは天の湖の湖畔に自生。生産模索中。

 醤油:材料の大豆の捜索中。

 味噌:材料の大豆の捜索中。


 ◆酒

 日本酒:ロストフォレストで試作検討中。


 常に手に入るもの、採取系の入手が不安定なもの、まだ手に入らないが可能性のあるもの。色々とあるが、全て揃えば作れる料理の幅が大きく広がりそうだ。あとは、胡椒などのスパイス類が足りないか・・・。贅沢を言えば、カツオ節や昆布など海のものが欲しい。一時期、出汁に凝ったことがあった。鰹節と昆布から出汁をとり作ったおでんは格別だった。その時は甘口の醤油を使ったんだっけ、味の染みた大根うまかったな。いつか作れるようになろう。そのためには、食材を探しに世界を回る必要がある。なぜなら、この世界に鰹節そのものがあるとは思えない、似た食材を自分で見極めないと使えるかどうかわからないからだ。そのためには力がいる。魔物や盗賊などがいる世界で、村で最弱の俺が一人旅など死亡フラグ10本立ててまとめて折るレベルの無茶。なんせユニークスキルが戦闘力皆無の撮影者。


 ユニークスキル 撮影者

 ◆写真撮影:撮った写真はフォルダ分けして俺の記憶領域に保存される。魔素表示モードで相手の弱点を見つけることもできる。写真を撮ると同時に対象の魔素を吸収。吸収量はF値で変わる。そして、対象の蓄えている魔素の量に割合で増減する。現在はF2.8で1%程度。吸収した魔素はソラちゃん経由で神空間にアップロードされる。注意点としては、体が耐え切れないほどの過剰な魔素を吸収すると死ぬ。


 ◆印刷:撮った写真はソラちゃん経由で印刷可能。印刷のために、紙の材料の木材とインクの材料になる色付きの石(赤、青、黄色、黒)が必要。紙はトレント材になり紙質が上がった。


 ◆換装レンズ交換:持っているレンズを付け替えることができる。レンズ名を口に出す必要がある。


 ◆動画撮影:動画が撮影できそうではあるが、実際動画撮影していないため、詳細不明。


 師匠の魔素を吸収し世界滅亡の危機を一時的に回避できたから重要なスキルであることはわかっている。わかっているけど、戦う力は欲しかった。


 これまでの修行で、100kgの甲羅を背負って湖面を時速60km程度の速度で走り回るくらいの力はついている。地球基準で言えば超人級なのに、村で最弱。この世界絶対におかしい。師匠のエロいご褒美(実際そうじゃなかったけどな)はないが、戦闘訓練は真面目にやろう。




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