第15話 誤爆? タブレットに届いた不穏なスクショ
ピロン
着信音が響く。
自室のベッドの上に転がり、Switehのオンラインゲームに興じていた
「ま、まさかっ!
プルプルと震える指先を、枕元のスマホに伸ばす。
「あれ?」
スマホは黙して、画面は黒いまま。着信を知らせる小さな光も点ってはいない。当然の様に加入させられたクラスLIINEが、初仕事をしたのかと思った
とするならこちらかと、枕を挟んで反対側に置いた学園タブレットの画面を開く。すると、こちらが正解だったらしく学園生専用連絡アプリに、メッセージ受信マークが付いている。
「よかったぁぁあ。電話じゃなかった」
思わず安堵の声を上げたそのココロは——音声だと必要以上に細かなニュアンスまで相手に伝わり、誤解曲解が生まれる。けれど文章ならば曖昧模糊に誤魔化せるし、最悪見落としたって言えば良い。
リアルでの人との関わりは、苦手なのだ。
それでもソロリと息を潜めてタブレットを覗けば、画像が添付されている。
「え?」
裏返った声が出た。目に飛び込んできたモノが、予想外過ぎて。
トーク画面のスクショだ。
――――――――――
『一色 恵利花さんの経歴と習熟度を鑑みて、今回2年1組の課題曲となった 地球の鼓動 のピアノ伴奏は完璧に弾き
「なんで? 恵利花には、弾けない曲で失敗して、もっと混乱して憔悴して、墓穴を掘ってもらわないといけないの」
「それでまた、アタシが慰めるのよ」
――――――――――
「一色 恵利花は、自分の不出来で苛立って、心配する親友のアタシにまで癇癪を起こして拒絶するワガママ。教室でのアタシたちのやり取りで、みんなはそう判断してる」
「けど、今日のピアノ決めの時、恵利花に同情する声が聞こえたわ」
「おかしいよね?」
「上手くいってたんだよ、ワガママな恵利花と、優しいアタシ」
――――――――――
学園タブレットに搭載されたパーソナルAIとの対話アプリ。そこで行われた誰かとAIとのトーク画面。
一色 恵利花を貶める意図が透けて見える、不穏な言葉が続く。
誰の発言かは表示されていない。
送信者は如何に操作したのか明記されず、送信先を確認すれば、2年1組の生徒全員への一斉送信となっている。
「コレって、まずいモノよね。わたしでも分かるくらいだから、送られてるクラスの皆も、誰の発言か気付いちゃうよね?」
発言者は
けれど、本人がこんなものを流すわけはない。一体誰が、機密性の高いパーソナルAI搭載タブレットの対話画面をスクショ出来たのか。
「有り得るとすれば……」
再び視線をゲーム画面に向けつつも、頭の中ではクラスメイトの顔を次々に思い浮かべて可能性を絞って行く。 亜美がトークアプリを開いたまま席を外すほど、無防備になれる相手か、あるいは彼女のデータを無断で読み取れる知能犯かの二択。そこから導かれる結論は――
「カレピか、薮りんの仕業!?」
ピロリン
「うにゃ!??」
再び、
「おぉ、さすが教室の笑顔を守るユル教師ミュウーラ。仕事が早い」
生徒へのアツい想いを抱えつつも、時間外労働に萎びた姿のミュウーラ。深夜のメッセージにも迅速に反応するとは、彼の情熱を侮っていたかもしれない。
「ホンモノの熱血教師か、生粋の苦労人か。どっちなんでしょうねぇ。想像の上を行ってくれるミュウーラ。ふむふむ、明日の学校が楽しみになって来ちゃいました」
にゅふふ、と笑いながらタブレットを閉じる。
朝のホームルームは時間が延長され、三浦による、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます