第8話「試練祭への招待と、燃える刃」
――ギルド食堂の朝は、いつもよりざわついていた。
「ミレイユさん!試練祭の正式な通知が来てます!」
厨房に駆け込んできた見習いスタッフが、手にした封筒を高く掲げる。開封されたその封書には、金色の紋章と丁寧な筆致でこう記されていた。
『食の試練祭――タイスウェンの誇りをかけた料理人たちの祭典に、貴ギルド食堂の出場を期待いたします』
「来たわね……今年も」
ミレイユが腕を組み、厨房の空気がぴりりと引き締まる。
そして視線は、厨房の隅で野菜を刻んでいた少女へと向けられた。
「莉子。アンタを代表として出してやる」
「えっ……私、ですか?」
包丁を持つ手が一瞬止まる。
「そうよ。アンタの料理が今、ここで一番“生きてる”。見せてやんなさい、あの子の味を」
(あの子……? でも、そんなにすごい人たちが出るお祭りなんだよね……)
莉子は不安を覚えながらも、胸の奥で小さく火が灯るのを感じていた。
—————
食の試練祭――それは、タイスウェン王国最大の料理競技祭であり、国中のギルド、貴族、王室、異国の使節までが注目する「食の祭典」だ。
起源はおよそ一千年前。この大地に“神霊”が顕現した際、人々がその加護に感謝し、捧げ物として料理を捧げたことから始まった。以後、国の政体が変わっても、神霊を称えるこの祭りだけは絶えることなく続き、現在では国家規模の大会へと昇華されている。
現代においてこの祭は、神霊への奉納を兼ねた“最も格式高い競技祭”であり、地球で言うところのトライアスロンに近い多段式の試練となっている。
課題は三つの部門に分かれ、
•「現地食材のみでの即興料理」
•「持ち込み調味料を活かした創作料理」
•「指定テーマに沿った決勝料理」
という三段構成で進行し、それぞれの部門で審査員と観客の評価により得点が加算され、総合得点で“勝者”が決まる。
勝利条件は、三部門すべてで評価を得たうえで、最終審査となる「食霊感応試験」で包丁がどれだけ素材と一体化していたか、霊的共鳴があったかが問われる。
まさに――“料理と魂”の祭典である。
—————
その日の午後。
ミレイユの案内で、莉子は祭の会場となる中央広場を訪れた。
円形の石畳には、すでに屋台の土台や仮設厨房の枠が並び、数人の料理人たちが試運転を始めていた。
「ここで料理を? 本格的な……野外キッチン、ですね」
「そうよ。しかも、調理条件は“現地調達”が基本。食材選びも、腕のうち」
広場の一角には、歴代の試練祭で高得点を記録した料理の“複製展示”が並べられていた。
――その中に、莉子は見覚えのある皿を見つけた。
「……これ、見たことある。おばあちゃんが昔、作ってくれた煮込み……そっくり」
それは、記憶の中の優しい味を思い起こさせるものだった。
(やっぱり、ミレイユさんやエリオットさんの言う『あの人』って‥)
—————
「おい、スパイス効かせすぎだって!食材が泣くぞ!」
「は?ハーブの香りばっかじゃ、戦場じゃ勝てねぇんだよ!」
祭の準備区画では、スパイス派とハーブ派の料理人たちが言い争っていた。
莉子はその横を通りすぎながら、小さく笑って呟く。
「……でも、本当は“スパイス”も“ハーブ”も、喧嘩しなくていいのに。香りも熱も、素材を引き立てるための、どちらも大切な手段なのに」
その言葉は、まるで料理そのもののように柔らかく、広場の空気を少しだけ和らげた。
—————
視察の帰り道。
広場のはずれで、ひとりの少年が鍋の前に立っていた。
黒髪を無造作に束ね、白い調理服を身にまとったその少年は、まるで舞うように食材を捌いていた。
その手つきは無駄がなく、まるで“包丁が意志を持って動いている”かのようだった。
莉子が立ち止まったのに気づいたのか、彼は一度だけこちらを振り返る。
「君も、出場者?」
「え、あ……はい。ギルド食堂の、推薦で……」
少年はじっと莉子を見つめた後、ふっと笑った。
「そう……懐かしい匂いがする。なんだろう……炊き立ての米の湯気と、味噌汁の香り……そんなものを思い出す」
(え……この人、日本の匂いを?)
莉子の目に映る彼の料理は、確かに和の趣を感じるものであった。鍋から立ち上る湯気の奥に、見知らぬはずの“なつかしさ”がにじんでいた。
彼はそれ以上何も言わず、再び鍋に向き直った。
しかし莉子の中に、じんわりと熱が残ったままだった。
—————
その夜。
厨房の片隅で、莉子は包丁を手にしていた。
大会に向けて試作を繰り返す中、今日は「揚げ物」をテーマに、唐揚げとメンチカツの2種類を試していた。
唐揚げは、ルセラの実と発酵塩をベースにした漬け込みダレでじっくり下味を染み込ませ、衣は“テュル粉”と“山晶粉”をブレンド。
メンチカツは、スモークラットの合い挽きに“モラン草”と“月茎”を混ぜて香りを立て、粗挽きのパン粉で包んでカラリと揚げた。
どちらも、油の音と共に芳ばしい香りが立ちのぼり、厨房中に食欲をそそる音が響いていた。
「どっちも……出せそう。けど、もっと“らしさ”を詰めないと」
莉子がふと、包丁を見つめた。
その瞬間、刃がかすかに光り、温かな波が莉子の胸を撫でた。
『……やっと、逢えた。君の料理を、見られる日が来るなんて。嬉しい……楽しみにしているよ』
それは、包丁に宿る“食霊”の声だった。
莉子は、そっと包丁を握りしめた。
「……うん。私も、がんばるよ」
静まり返った夜の中、祭の予感が熱く広がっていくのを、莉子は確かに感じていた。
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ここまでお読み下さりありがとうございます!
この小説は自分を編集担当、AIを作家と役割を与えて執筆を行なっています。
近況ノートにて、この作品を作るために私が行っているAIとのやりとりなども公開していこうと思っております。
とりあえずは、莉子のデザイン画を置いときました!
AI執筆にご興味ある方は、是非とも❤️とフォローよろしくお願いします!
コメントも生成内容に反映していこうと考えておりますので、好きな展開や料理など、コメントよろしくお願いします。
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