パート8: 運営(創造主)様、マジ感謝! ~この転生、大当たりすぎる~

ふぅー……。

何度か深呼吸を繰り返して、ようやく爆発しそうな興奮をなんとか抑え込んだ。

いや、抑え込めてないかもしれないけど、とりあえず表面的には。


冷静になろう、私。

確かに、最推しのイザベラ様がいる世界に転生できたのは奇跡だ。

でも、なんで?


なんで私が、この『アストレアの奇跡』の世界に?

しかも、こんな『観測者にして演出家の権能』なんていう、ぶっ壊れチート能力までセットで。


偶然……?

いや、それにしては出来すぎている。

まるで、誰かが意図的にこの状況を用意したみたいだ。


(……やっぱり、いるのかな)


神様とか、運命の管理人とか、そういう超越的な存在。

この転生を仕組んだ……いわば、『運営』。


だとしたら、その目的は?

なんで、私を選んだんだろう?


心当たりがあるとすれば……やっぱり、前世の私の生き方?

天野恵としての、あの……ひたすら他人のために尽くした人生。


(うーん、自分ではそれが普通だと思ってたんだけどなぁ……)


人助けも、寄付も、ボランティアも、誰かに褒められたいとか、見返りが欲しいとか、そういう気持ちでやったことは一度もなかった。

ただ、そうするのが当たり前だと思って、そうしてきただけで。


(もしかして、運営様から見たら、「この子、自分のこと無頓着すぎない? 人のために死ぬまで尽くして、自分の欲求とか全然満たしてないじゃん! よし、次の人生は思いっきり好きなことさせてあげよう!」みたいな感じだったりして……?)


だとしたら……。

推しであるイザベラ様がいるこの世界を選んでくれたのも。

推し活(観察とか、破滅フラグ回避とか?)に役立ちそうな最強能力をくれたのも。

全部、運営様の温情……? ご褒美……?


(え、だとしたら……)


運営(創造主)様、マジ神!!!

どこにいらっしゃるか分かりませんが、本当にありがとうございます!!

このご恩は一生忘れません!!


内心で、土下座どころか五体投地の勢いで感謝しまくる。


(神運営すぎる……! 最高……!! 一生ついていきます!!)


理由が善意なのか、それともただの気まぐれなのかは分からないけど、どっちだっていい。

結果として、私は最高の環境を手に入れたんだから!


推しがいる世界。

推しを陰から見守り、時には助けることもできるかもしれない力。

これ以上の幸運があるだろうか、いや、ない!


(ありがとう、運営様……!)


このチャンス、絶対に無駄にはしない。

この力を最大限に活用して、イザベラ様の物語を、最高の形で観測し、そして……必要なら、最高の舞台を演出してみせる!


それが、この幸運を与えてくれた運営様への、私なりの恩返しだ!

……と、勝手に決意を固めた。


ふふっ。

俄然やる気が出てきた!

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