第79話 邪神です!
「まぁお主が良いならよいのではないか?」
「いいよ!それより邪結晶の方が問題だから」
改めて邪結晶を見せると、アマテラス様はため息をついて「しまえ」と言った。
「そうじゃなぁ、言うなれば既成概念的なものから新たな神々が生まれたのじゃが、ちと我等原初の神々とは仕様が違うのじゃよ」
邪結晶をインベントリにしまいながら聞いたアマテラス様の言葉に、首を傾げてしまう。
何故なら人間は、既に神を生み出す程の純粋性や意思の力を失ってしまっているからだ。
「何年かに一度、原初の神々が誓約として定めた『神が集まって現状を報告する会』という強制参加の会議みたいなものが行われるんじゃが、そこに新たな神々が現れてのぅ?」
「日本の我等は、ほれ、新たな概念など色々受け止めるのが得意だからすぐになれたのだが、他の神々は大慌てでなぁ」
日本勢は慌てる神々を無視して新たな神々を歓迎したそうだ。
新たな神々に話を聞いて、その特殊性に気がつき会議で話し合ったらしい。
「そやつらは……なんというか、ゲームから生まれた神らしいのじゃが、生まれるまでが長かったせいで変に設定が盛られたり、神としての考えは勿論出来るのじゃが、変に遠慮しとるというか、世界に配慮しまくりというか『我々なんかが神で良いのだろうか?』みたいな卑屈根性出とるやつらなんじゃ」
…………うん?
「ちょっと待って?ゲームからって、今更神がそんなもので生まれる?」
「それよ。人生ゲームのようなものらしいのじゃが、世界と人の人生を作って、その人に成りきるものらしい。その設定が世に広まったことで既成概念として、その作られた世界の中に居る神々として認知されたことで生まれたのだ」
ウカタマ様が言うには、漫画やテレビゲームだとキャラがいて『自己』は介在しない。
その人生ゲームだと『自分』がその世界の設定の中で生きるので『その世界の人』が『その世界の神』として認知したことになり、誕生したということらしい。
「え、つまり、その神々って別の世界の神ってことになる?」
「うむ。しかも設定の中の神として、ゲームが広まるまでが長かったので、言うなれば『拗らせた』状態じゃった」
「謎に社会的影響などを考えておったなぁ」
「我等もそやつらについて知識がないし、何より『邪神』だと言うのでなぁ。それならば『邪神』として何が出来てどんな影響を与えるか少しずつ試すべきと話したのだ」
「所属する国についても、問題になってなぁ」
……あれ?つまり?
「とりあえず、力が変に影響を与えても人の子がどうにか出来るじゃろうと期待を込めて日本でお試し活動してもらうことになったのじゃ」
「それでか!」
いや、なんで日本みたいな島国で邪神が活動するん?と思ってたんだよ!だって人を操るにしても宗教勧誘にしても人が多い国の方が良いじゃん!
もし邪神教団が広まったとしても島国だから、封じ込めも簡単じゃん!
「うむ、日本のダンジョンに各神話のモンスターが居るのも理由の一つじゃな」
「新たに変なモンスターが出ても問題無いからのぅ」
「えぇ?じゃあこの邪結晶は?」
「あぁ、一応神なので信仰が無いといかんじゃろ?邪神を信仰するとどうなるかわからんかったし、邪神達の力の影響を見るためのアイテムじゃな」
「ついでに加護カードの前段階かのぅ?加護カードも神の力ではあるので邪神の加護カードを人の子に着けて良いものかとな」
えぇ?なにそれぇ?
「じゃあ一応わかってること言うけど、精神力が低いと悪い方向に影響受けるっぽいよ?悪意が増幅されたり、理性が緩くなったり」
「ふむ、精神力のぅ?」
「我等の加護カードは最低値で影響が無いよう加減しとるしな?」
………まさか、普通の神様の力も人の精神に影響あるパターンなの?
いや、当たり前だわ。何で神の力を使うのに人に影響無いと思った?そこは神々が加減してくれてただけだろ、常識的に考えて!
うわぁ、そういうのは意識の外だったわ!そういうもんだと思ってたってやつ!
「ふむ奴等は精神に影響ある感じの神なんじゃな?」
「そういえば精神力が『産地チェック』の代わりとかどうとかいっとったなぁ?生まれた地の精神力をチェックして如何すると思っておったが……」
ウカタマ様?それSAN値じゃね?
「あやつら、高天ヶ原のような神の空間である設定世界上ではイキイキしとるんじゃが、現世では何故か人前に出たがらぬし何気に人の子が怖いとぬかしよるし。何より現世に関わると神使程度に力が制限されるらしくてのぅ?」
ねぇ、その設定世界って夢の国とか言わない?ねぇ?俺そこまで詳しく無いけど知ってるよ?見ただけでヤバいんだよね?
「その邪神さんたちってさぁ、見た目がヤバい感じの神々?」
そう訊いたらキョトンとされた。
「いや?大半は普通に人型しとったぞ?」
「……アマテラス様、アレではないかの?日本ナイズされちゃったというやつ」
「あぁ!それで人の子に異様な恐怖を覚えておったのか!自身の姿が変わるのは確かに驚くし恐怖かもしれぬなぁ!」
「我等はもう慣れてしもうたしなぁ」
流石原初の神々はチゲぇなぁ。そうか、神々って時代によって人のイメージで姿が変わったりするのか、そうか。
それは生まれたての邪神さんたちは怖かっただろう。
『おぞましき』とか言われてた自分の姿が可愛くなったりカッコよくなったりするんだもん。
「それは確かに日本人の仕業」
え?それなのに日本で活動するの?事実を知ったら邪神さんたち泣かない?
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