珍しいインド神話をモチーフとしたファンタジー作品です
インド神話と言うとシヴァ神やカーリーなど血生臭さく享楽的な神々が登場する世界の始まりから終わりまでを扱っている(見方によってはその先)壮大な神話ですが、同時に子孫繁栄を説く神話でもあります。
そんなインド神話を下敷きとした本作は、まさにインド神話の持つ享楽さを全面に押し出したストーリーであり、破天荒さと子作り、英雄誕生の物語までを含む物語でした。
ところで作中に登場する性典「ハーラマーセタ」はグンダリーニヨーギの新たなる聖典ですかね?(インド神話をそれなりに調べたことがある人は何が言いたいかわかるかも)
そして何よりカリーが食べたくなる!
明日のお昼はインドカレーだ!!
チャクラの概念はインド風、仙境に住まう神仙は中華風、創造神である八大龍王は仏教風と、アジア風味ごった煮な世界観は唯一無二だと思います。
また、仙人に育てられた少女が「自ら世直し旅に出る」のかと思いきや「竜神の子胤を宿して英雄の母となる」事を望むとは!? 斬新すぎる発想にも驚きました。
「エロティック冒険活劇」とあるように、性的なシーンもわずかにありますが、漢詩風の雅な文体にしているのもクレバーな表現方法だと思います。
チャクラガールの夢は壮大で、残る七竜にも出逢うことができるのか、興味と期待が尽きません。
今後の展開が楽しみなところです。