your love is my drug

世鷹 逸造

君がよく眠れるように

プロローグ


 この人はいつも夜に怯えている。

 戦争からもう何年も経つっていうのに、ベッドの上で飛び起きては泣いて縋りついてくる。

 サイボーグの無骨な体は大きいのに、震えている姿は子供のようで。僕はいつも抱きしめてあやすように背中を叩くことしかしてあげられない。


「大丈夫、もう大丈夫ですから」


 優しい声音で言い聞かせる。

 けれど、これで震えが止まったことはない。

 この人の中の戦争はいつ終わるんだろう。

 いつか終わってくれるんだろうか。

 

 ────Good night and have a nice dream.

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