戦争を描きながら、ただの勝ち負けでは終わらせない物語。冷たいはずの宇宙に、人の理性と優しさが静かに灯る。一行ごとに研ぎ澄まされた知性と葛藤があり、読み終えたあとに残るのは「戦うとは、守るとは」という問い。この重さと静けさが、たまらなく美しい。物語が進むほど、戦場は広がるのに、ナナたちの心はむしろ一点に収束していく。――「守りたい」その一言に尽きる。冷たく、熱い。論理の中に心を見せるSF。この作品を、私はただ、好きだと言いたい。
5話ほど読ませて頂きました。印象としては、良くも悪くも古き良きSF小説だなといった印象です。文章力はしっかりとあり、SF小説に慣れ親しんできた読者にとっては専門的な用語もすんなりと頭に入るでしょう。個人的には、機動戦艦ナデシコ辺りを思い出しました。