第14話 祭り
仕事が終わり、保乃達は隣町の祭りに向かった。
「わあ、綺麗!」
保乃が感嘆の声を上げる。出店はないが暗い夜の街をオレンジがかった提灯が照らしていた。人々は笑顔で歩き、子どもは走り回っている。
「そういや、あそこの神社の広場で盆踊りやっているぞ。」
玄弥が神社広場を指差す。あそこは私が淳介さんと初めて会った場所だ。
懐かしむ間も無く、それを見たさくらが言った。
「みんな行こうよ。早く早く!」
いつも大人っぽいさくらが子供のようにはしゃいでいた。
「盆踊りなんていつぶりだろ!!」
さくらがはしゃいでいた。玄弥は笑顔でさくらと踊っていた。
保乃は戸惑っていた。
「ねえ淳介さん、どう踊ればいいの?」
「ははは、俺の真似をしてごらん。」
「こうかな?変かな?」
「上手だよ保乃。可愛く踊れている。」
その言葉を聞いて保乃は頬を赤らめる。
(今、可愛いって言ってくれた?)
保乃は照れながら、少しぎこちないながら、初めて淳介と出会った思い出の場所で盆踊りを楽しんだ。
あっという間に祭りは終わり、4人は帰路に着く。
「いやー楽しかったな。」
玄弥がそういうとさくらもすかさず、
「うん、本当に楽しかった!こんなに楽しんだのはいつぶりだろ。」
さくらはまだお祭り気分が抜けていないようだ。
そして4人はさくらの家に着く。
「よし、それじゃ解散だな。」
淳介が寂しそうに言った。さっきと真逆の雰囲気だった。
「ねえ?淳介さんどうしたの?」
保乃がそう言うと、淳介と玄弥が突如敬礼をした。
「出撃命令が出ました。明後日、敵艦隊に特攻します。」
淳介がそう言うと保乃は固まってしまった。しかしさくらは、
「おめでとうございます。お二人の御武運をお祈りしています。」
そう言って2人を見つめ頭を下げた。
涙は流していなかったが、その手は震えていた。
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