第13話 日常

空襲から1週間が経った。

保乃とさくらは街の片付けと復興作業にまわっていた。

「さくらちゃん、そっち持って。せーの!」

保乃はさくらと大きな木の柱を退けていた。道を確保するためだ。

アメリカ軍の空襲で焼かれた街にはまだ焦げ臭い匂いが広がっていた。

休憩時間になり、保乃とさくらは休憩に入った。

「はあ、疲れたね。」

さくらはそう言いながら保乃に水を手渡す。

たまたま残っていた井戸から組んできた水。温度はぬるかった。

「ありがとう。まだ5月なのに汗かいちゃったよ。」

保乃は愚痴をこぼす。

しばらく休んでいたら同じく作業をしていた淳介と玄弥がやってきた。

「お、ここにいた!」

玄弥が2人に声をかける。

「あ、玄弥さん!淳介さんも!」

さくらは笑顔で2人に答える。その後淳介が言った。

「隣町で祭りやるみたいだよ。2人とも夕方時間あるなら一緒に行かないか?」

「え、祭り!?」

保乃が目を丸くして答える。

「ああ、みんなこの前の空襲で元気が無くなっているから息抜きに開催するらしい。」

淳介が2人に教えた。その後玄弥が、

「最近みんな忙しくて、色々あって大変だっただろ?たまには息抜きしようぜ。」

「うん、行きましょう!」

保乃とさくらは声を揃えて返事をした。

「よし決まりだな。そんじゃ仕事終わったらさくらちゃんの家に集合な。」

そう淳介が言うと保乃達は相槌を打ち、仕事に戻ったのだ。

保乃は仕事に戻り思った。

(楽しみだな。みんなとお祭りに行けるなんて。)

保乃は笑顔が止まらなかった。さくらも同じだった。

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