第7話 民の呪いは解けたが、呪いのすべての原因は傭兵団。
シノはこの数日コンドラウ国に今もいる、国中の国民達の呪いをシャインウルフ達に頼んで解いて回ってもらった、国にはもう呪われた民はいないが、肝心の冬の呪いは解けていない。
フェルゼン「すまない、そして助かったありがとう、呪いの原因となった過去の調査資料を調べてみたら、どうも傭兵団がスノードラゴンの卵を盗もうとして失敗、逃げられないと悟った傭兵団が卵を割ったのが事の始まりのようだ、迷惑極まりない話だ。」
シノ「どうするの?責任は?クエスト出したのは冒険者ギルド?それとも単独?一攫千金でも狙った?。」
フェルゼン「一攫千金を狙っての事だそうだ、割った後命からがら逃げたが、奴らは最も重い呪いを受けていてな、今もなお生きてこの国で暮らしていたよ、捕らえて牢にぶち込んであるが。」
ウルフ「ならそいつ等をドラゴンの下に連れて行けばいい。
その審判を下すのはドラゴンだ人類じゃない、シノ僕らが行ってくるよ、ドラゴンは知性に優れ人類との会話も出来る、ただ失われた卵はもう・・・・!?シノ悪いけど二人だけで話がしたい、王子には席を外してもらいたい。」
フェルゼン「わかった何かいい案が浮かんだ様子、後は他力本願で申し訳ないがお任せする、これが解決すれば、それ相応の礼をさせて貰う。」
フェルゼンは応接室出ていく。
ウルフ「シノ複製で卵元に戻せないかな?ドラゴンの卵は割れても数百年は同等の魔力が残ってるんだ、後は殻さえ残ってれば形はわかるだろうし、出来ないかな?。」
シノ「出来るとは思うけど、失敗できない案件よ?失敗したら私も呪われそうなんだけど?。」
ウルフ「大丈夫だと思うよ、元々傭兵団が悪いんだし、そいつ等を差し出せば問題ないと思う。」
シノ「わかったわ、何もせずこの雪に悩まされるよりはマシかもね。」
シノ達はフェルゼンに呪いが解けるかもしれないと伝え、元傭兵団達をもらい受ける事にした、彼らには奴隷の首輪が付けられている、逃げ出すことはできない。
彼らの呪いは醜くなった姿に老いることのない不死に近い状態、要は死ねないのだ。
聞く所によると何度も死のうとしたが、呪いの影響で死んだら死ぬ前に戻されるとの事。
シノは一度元傭兵の罪人たちの首をはねて、モンスター登録に表示はされたが、案の定復活している、精神がすり減って狂おうとしても呪いがそれを許さない、永遠に死ねない呪い。
5日かけてドラゴンの住まう麓の巣までやってきた。
ドラゴン「凝りもせずまた人間が何の用だ!?我の大切な世継ぎである卵を破壊したクズ共が、今度こそ逃がさぬ喰ろうてくれようぞ!?。」
ウルフ「待って!?卵を割った罪人を連れてきた!?こいつ等は食っていい、その代わり俺達同じモンスターのよしみで、願いを聞いてはもらえないだろうか頼む!?割れた卵の殻を見せてくれるだけでいい。」
ドラゴン「ほう?罪人を連れて来るとは殊勝な心掛けよな、喰うてもいいのかコ奴ら?どうせ割れとるから見せるのは構わんが、そこの首輪の無い女も喰って構わんのだな?。」
ウルフ「この人はシノミキハラ、俺達の主人だ喰っちゃだめだ、俺達はシノがいないと困る、生きていけないから絶対だめだ。」
ドラゴン「残念だ、とても美味そうだったのでな、まぁそ奴らを連れてきただけで我慢するか、卵が見たいなら好きにすると良いだが、もし殻を持ち出そう等とすれば、貴様らもこの罪人と同じく喰らうぞよいな?。」
ドラゴンは呪いを解き元傭兵団達を喰らっていく、喰われた罪人達の首輪だけは吐き出され転がる。
シノはそれらを収納ボックスに回収。
ドラゴンの案内で割れた卵の前に来ることができた。
シノ「ウルフ達は卵の殻を一枚残らず集めて、黄身を殻の中に戻す、状態が良ければ一旦収納ボックスにしまって複製してみるわ、出来なかったらドラゴンに謝るしかないわね。」
ウルフはドラゴンに事情を説明する、ドラゴンは気丈にふるまってはいるが、どこか悲しげだ、期待半分と言った所である。
ドラゴン「好きにするがいい、だが失敗すれば呪いは解けんと思えいいな。」
ウルフは散らばった殻を一枚残らず集め、シノは殻をパズルのように組み立て、卵白と黄身を魔法で浮かせ入れ元の姿に戻した、そして収納ボックスへ入れる。
シノ「複製できそうだけど3日かかるみたい、数千年に一回だから、その分複製にも負荷がかかるっぽい、これは新事実ね、でも元に戻るだけましよね、元に戻るわ、卵復活できるから大丈夫、数日かかるから滞在を許してほしい。」
ウルフはドラゴンに卵が元に戻る事と復活には数日かかる事、滞在を許してくれと伝えると、泣いて大喜び。
ドラゴン「おお!おお!なんという奇跡か我が子が数日で復活する!食料を調達してくる、数日はここにいるのだったな、ついでに旦那を連れてくるしばし待っておれ。」
それから5日経過してもドラゴン夫婦は姿を現さない。
ドラゴンの番である旦那は、ハウラー帝国領軍に襲われ瀕死の状態、その迎えに来た嫁であるスノードラゴンも狙われていた。
スノ―ドラゴンは必死に旦那を足で掴み逃げる、息子が復活する必死の呼びかけることで、旦那も必死に生きようとするが帝国は彼らを逃がす気はないようだ。
遠くからは長い鉄の棒が見える、飛んでくる鉄と思わしき礫は、速く当たればただでは済まない。
ドラゴン夫婦は何とか巣に戻ることは叶ったが、もう幾ばくもない様である。
シノ「何があったの?もう瀕死じゃない!、見てあなた達の夫婦の卵は復活したわ!子供を残していくの?。」
シノは必死にヒールを使い回復を試みるが、ただの延命でしかなかった。
ドラゴン夫「は・・・はは・・・本当にもとにもど・・・てるなこれは驚いた、・・・・人間にも心優しい者は・・・・いるのだな。
だが残念だ・・・我が子の…誕生を見ることは・・ない。」
ドラゴン嫁「本・・・当・・・よかった・・・どうかその子をよろ・・・しく・・・頼み・・・ます。」
シノ「・・・・提案があります、貴方達夫婦が生きる方法です、ですが貴方達夫婦は私に縛られます、それでも生きたいなら、生きて子供の誕生が見られます・・・・・二人を傷つけた者達に何時か仕返しが出来るかもしれません・・・それでいいなら私にその命預けてみませんか?・・・・私が一度その命を絶ちます亡骸は私の中に、そして復活できます、信じてくれますか?。」
ドラゴン夫「・・・我が子に・・・再び会えるのか・・・ならばならば頼む・・・我らを汝の中に・・・加えてくれ・・・さあこれが我の心臓・・・・これを貫けば我は・・・死を迎える・・我が妻も同じように・・・その命に加えてくれ。」
ドラゴン妻「私からも・・・・頼む・・・・もう意識が・・・早く・・やってくれ・・・私も其方と共に・・・・。」
シノは両親を思い出し泣いている、取り出したカービンライフルと弾丸はガイアマーダーとエンドレスドラゴンの素材で改造されている、シノは無言で銃を構え撃ち貫いた。
ドラゴン夫婦「ォオォォォォォォォォ~~~~~~~~!?」
ドラゴン夫婦の断末魔が響き渡る、夫婦は息絶える、そしてシノの中にその亡骸と共に収まるのだった。
システム「ランク9、グリーンドラゴン、スノードラゴン登録されました、望まない結末ではありましたが、延命することが出来ました、モンスターハウスランク7に上がりました。
モンスターを解放、在野の野に放つことがきます、放ったモンスターは登録から抹消されますご注意を。
モンスターハウスの環境改善を選択してください。」
シノ「モンスターハウスフィールド選択、あの夫婦に今の在野の野は危険すぎるわ、また何処かで狙われるかもしれない、だからこの卵と一緒に楽園で暮らしてもらいましょ、何れ安全な所があったら、そこで暮らしてもらえばいいかな。」
システム「モンスターハウスフィ-ルドの環境を改善しました、モンスターの憩いの場に限り召喚ランクの制限規則は撤廃され、呼び出すことができます、モンスター達は楽園で自由に暮らせます。」
シノ「何処の誰だか知らないけど、あの家族の生活を脅かした人達には、仕返しをしないとね、その時には進化した彼らにも手伝って貰いましょうか、それまであの家族には楽しい時間を過ごしてもらいましょう。
あ?、・・・ふふ、雪が止んだわね、雲も晴れて空も見えてきたし帰りましょ、呪いも解けたみたいね。」
その後シノは無事城に戻り、コンドラウ国の呪いは解けた事を伝えた、王夫婦も仲睦まじく、ガント大臣は嫁を迎え幸せそうだ、フェルゼンはシノに是非にお付き合いをと告白をしたが、当のシノは無理と即答で断っていた。
バルク王「シノ殿この度はお骨折りいただき感謝の念に堪えん、我が国からは、ブレストショルダーマジックミサイルアーマ―1式の装備と金銭2億ブヒーを、そしてギルドへの紹介状、冒険者ランクAクラスへの推薦状である。
希望していた商人だが、アレは商品の品揃えと金銭が物を言うでなランクは上げてやることが出来なんだ。
代わりと言っては何だが奴隷が買えるように紹介状を渡しておく、必要ないならば捨てて貰っても構わん。
最後に私達家族からプレゼントだ、中身は見てからのお楽しみである受け取ってくれ、城の外に用意してあるので持っていくとよよかろう。
旅に出るのだったな?寂しくなるが、良い旅路を、もしまた訪れる事あらばいつでも訪ねてきてくれ。
サラバだミキハラ殿。」
ガント「本日の謁見これにて終了!、ミキハラ様本当にありがとうございました。」
近衛一同「構え!捧げよ!?誠にありがとうございました!。」
シノは礼をし、城を去るのだが、貰ったプレゼントは2連結の空間拡張が施された馬車だった。
一つは生活が出来るように1部屋ごとに、豪華なキッチン、水道水とお湯も使える、脱衣所に風呂場、洗面、トイレ、食事に必要な家具やカラトリーが設置されている、寝所も何処かの王室並みに天盆が付いている、1家族10人で暮らせそうだ、それが約250部屋。
冷蔵庫はないが氷室がある、洗濯板はあるが洗濯機がない、ドライヤーは無い様だ。
フェルゼンがシノから聞いた地球の暮らしの必須機能を参考に職人へ依頼、頼み込みこんで作って貰ったそうだ、限界まで拡張したと。
もう一つは商い用となっていた、路上調理販売、内部は買い物が出来るように商品が幾つか陳列されているようだが、陳列棚の空きスペースが目立つ、商業用の馬車は腐敗劣化防止がかかっている、内部の商品も同様に腐敗劣化しない、馬車には盗難防止、商品には支払いがなければ持ち出せないようになっている。
食料品販売店、他にも鍛冶武具の店、錬金ポーション屋、衣服販売店、雑貨生活用品店、病院の様な場所まである、スペースは狭いが家畜も販売できる様になっている、トイレも設置されているがペーパーは葉っぱだった、下にはスライムが居て糞尿を食べてくれる、ある意味で至れり尽くせりだった。
聞く所によると馬車は基本ルーンを刻み、使いやすい様に改造することが出来るようだ、専門職でしか改造できない為、そのお値段は内容によって金額が変わるらしい、彼らからすれば今回は注文は奇抜なものが多く作るのに苦労したと。
そのお値段は、年の国家予算に匹敵したと聞いた。
シノ「こんないい物を、何か申し訳ないわね、これは馬か確か獣竜種だったかしら?どちらか必要になりそうね。」
近衛「シノ様こちら獣竜種にございます、足が速く非常に強いモンスターとなります、アースドラコ亜種、魔法も使えますから戦闘でもお役に立てるはずです、マジックナイトテイマーのシノ様なら使いこなせる筈です。」
そうシノはマジックナイトテイマーと言う新しい位置付けとなった、一般的にはテイマーは最弱だが、シノは魔法が使える上、戦闘もできる、新たな選択職が生まれた、既に世界各国に布告も出されている状態、もちろんシノが召喚士(勘違いされて)であることは本当にごく一部だけ知っているその情報は一切漏れていない、フェルゼンが知る異世界の事も。
本当はモンスターハウスの恩恵なのだが。
一般のテイマーもこれには喜んでいる様子。
テイマー、マジックテイマー、ナイトテイマー、マジックナイトテイマーと職が増えた。
シノ「ありがとうそれでは何時かまた。」
近衛「はっ!お元気で行ってらっしゃいませシノ様!?。」
こうしてシノは冒険者ギルドに向かいたいのだが、その前にやらなくてはいけない事が出来てしまった。
そうアースドラコのモンスター登録である、倒さないと登録されない、進化もできない、年を重ねいずれは死んでしまう。
シノは申し訳なさそうに倒し、ランク7、アースドラコを登録に加えることとなった。
シノよ、お前一度死んでるだろ?ステム最近見たのかね?。
シノ「え?そういえば私何故か生き返ってますよね?。」
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