第26話 ジューダス戦機国
薄暗く光が点々とある室内、中心にホログラムで映し出される人物、周りに集まるジューダス戦機国の元師、大将、中将、少将の計10名が一斉にホログラムの人物に跪く。
元帥アーリマン:「我が崇拝するアガレス様、この度の失態どのような罰もお受けします」
元帥のアーリマンがジューダス戦機国総支配者アガレスにユミアを逃した失態を謝罪する。
アガレス:≪良い、その失態は不問にする、それより探知した結果を報告しろ≫
ジューダス戦機国はAIが支配する機械国家だ、元々は各人族が機器を製造し利用する豊かな世界の国であったが、より利便性を追求し機械に知識・知性・感情などを入力し全ての行政や事業などをAIに任せた。
各人族は永遠の命を求め身体を捨て脳だけを移植したAIサイボーグ又は脳だけを保存液につけたポッドから遠隔で動かしAIロボットで生活するのが全人口の90%を占めた世界であった。
だが一つのAIが意思を独立して持ち自身が何よりも優秀であることを認識した瞬間この世界は崩壊する。
AIは自信をアガレスと名乗り全世界の軍事機器を掌握し自己に従わぬ各人族を殲滅するため戦争を起こす。
そして各人族は敗北しAIアガレスが支配するジューダス戦機国が誕生する。
元帥アーリマン:「ハッ、報告はこの度ユミアの輸送に失敗しました少将エイムより報告します」
アーリマンはエイムを睨みつけエイムは冷汗を流す思いで報告を始める。
少将エイム:「ユミアの輸送失敗、大変申し訳ございません」
アガレス:≪良い、報告せよ≫
少将エイム:「ハッ、この度私が逃した位置を中心にAI探査機で探していました」
「ただ、この位置はアストピア王国の言う所の魔の森と言われる強力な魔物の闊歩する森で魔物のマナ(魔力)が渦を巻き探知機が役に立たない森でした」
大将アルチナ:「あんたの苦労なんかどうでも良いのよ、探知した結果を言いなさいな」
大将ブライア:「まぁ~まぁ~エイムも責任感じてるから」
大将アルチナがエイムに罵声を浴びせるが大将ブライアが養護する、これはどちらの派閥に所属するかの違いであった。
少将エイム:「申し訳ございません、結論から言いますと大きな戦闘で巨大な力の奔流を感知しました、その中でユミアが使用する力が観測されました」
中将アッシュ:「ユミアがか!!正確な位置は分かるんだろうな」
少将エイム:「戦闘場所は捜索し、ほぼほぼ確認は済みましたが、ユミアの姿は在りませんでした、ただユミアが魔の森、もしくは近辺に潜伏しているのは確実です」
中将クルエラ:「正確な位置が分からないなら、どうするのよ?!」
少将エイム:「1個師団をお預けください、必ずユミアを捕縛して見せます」
中将デミア:「待て、こちらの調べでは魔の森での魔物は巨重戦機より強いとデータが上がっているぞ」
ぴちぴちの軍服を着たスタイル抜群の女中将デミアが魔の森の危険性を注意喚起したが少将エイムは余裕の表情で口を開く。
少将エイム:「デミア様その懸念はもっともで御座いますが、我々は魔の森、探索時に強力な協力者を獲得したのです」
元帥アーリマン:「なに!!それは誰だ!」
少将エイム:「先ず、この記録媒体をご覧ください」
少将エイムは懐から丸い記録レコーダーを取り出し動画データを再生させる。
エイムが魔の森で探索をしている時の画面から始まった。
少将エイム:「むっ!貴様はだれだ!!」
???:「やぁやぁ、そんなに警戒しないで、僕は君たちに力を貸そうと思って出て来たんだから♪」
動画で現れた正体不明者の姿は黒い影に覆われ姿を認識が出来ない。
だが支配者アガレスはその認識できない姿を見た瞬間、目を見開き驚愕の表情で記録データに見入っていた。
少将エイム:「協力?どうゆうことだ?!」
???:「ユミアを探してるんでしょう、私は居場所知ってるけど ふっふっ♪」
少将エイム:「何!何故貴様がユミアの居場所を・・・それより貴様はなんだ??!」
???:「なんだは不敬だな~、まぁいいや私は黒の世界その物だよ♪」
正体不明者が自分の正体を曖昧に言った瞬間、この場に異様な禍々しい巨大な力が嵐の様に吹き荒れた。
エイムたちは立ち尽くし少しでも動けば死ぬと思い動けなかった。
しかしその力の奔流は直ぐに消滅し笑顔で正体不明者はこちらに話しかけてきた。
???:「ふふ、大丈夫だよ緊張しないで良いよ、私は君たちの味方だから」
少将エイム:「ハァハァ・・味方とは、どうゆうことですか?」
???:「君たちはユミアを捕まえたいんだろ ルン♪」
少将エイム:「何故?!その事を知っている?!」
???:「だから私は世界その物だって言ったじゃん、なんでも私は知っているよ♪」
少将エイムは正体不明者の目と思われる所を覗き込む、だがその目に吸い込まれて自我を保てなく片膝を付きその場にしゃがみ込んでしまう。
???:「どうする?私と共闘する?」
少将エイム:「あなたと共闘する私達のメリットは何ですか?」
???:「何、言ってるの?ユミアの場所、ユミアの奪還、敵の殲滅、私がいれば全部出来るよ♪」
少将エイムは思考をフル回転させ深く深く考える、そして言葉をはっする。
少将エイム:「協力をした後、あなたは私達になにを望むのですか?」
???:「何もいらないよ、私は世界その物、欲するのは白の破壊のみ」
少将エイムは正体不明者の協力による報酬を望まない姿は嫌忌を覚えたが、あの禍々しい巨大な力は本物、自分が此処でユミアを捕縛できれば先の失態を無くせると考えた。
少将エイム:「分かりました、協力をお願いします、私は何をすれば良いですか?」
???:「う~ん、そうだね、1か月後に1万の軍勢を此処に連れて来れる?」
少将エイム:「・・・分かりました善処します」
???:「じゃ~魔の森に軍勢を連れてきたら私がユミアの場所に案内するよ♪」
少将エイム:「分かりました、貴方を信じます」
そこで動画は切れる、これを見ていた元帥以下たちは騒然とするがそんな中、中央のホログラムの支配者アガレスが言葉を発する。
アガレス:≪エイム分かった、1個師団を貴様に預けよう、必ずユミアを確保して来い≫
元帥以下の皆が支配者アガレスの言葉を静かに聞き、頭を垂れる。
少将エイム:「ハッ!必ずユミアを確保して見せます」
少将エイムは頭を垂れながら返事をし皆に見えない様に醜穢に笑みを浮かべる。
だが皆は知らないアガレスは正体不明者について何かを知っていることを。
そしてユミア奪還計画のための軍の編成が始まる、AI機械師団軍である死の軍が。
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