第37話 大波乱

1回終了時点で 鈴丘東 1対0 広松西

予想外の展開で幕が開けたで~

初回にホームランを打たれた鬼厳はベンチに下がり、

2回から三年生エースの長田ながたが登板したのだ


長田は1、2年時に甲子園の経験もあり、

プロ注目の左腕なのだ


涼音「ねえ、あれ3塁側にいるのツムじゃない?」

葵「そうだよな!あの取り巻き集団からして

  間違いない!でも、なんで3塁側にいるんだ?」


涼音「あれ?知らないの?ツムの新しい彼氏って

   鬼北くんだよ。言ってなかったっけ?」

葵「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

【鬼厳のやつ!野球でオレを超えて、ツムちゃんまで

 鬼厳のくせにー!】

飛鳥「涼音がいるんだから」


涼音「鬼北くんから告白したらしいよ

   ツムが初恋の相手で小学校2年からずっと好きだったみたい」

葵「あんな堅物のどこがいいのかね」←なんとなく嫉妬する葵

涼音「葵に勝ちたくて、相当努力したらしいよ

   野球は葵を超えてるし、外見、内見を磨いて

   今じゃ、広松西で成績は1位、噂になるほどのイケメン

   真っすぐで、バカが付くほど真面目で誠実

   そりゃ、誰だって落ちるでしょ」

葵「でも、ツムちゃんはそれだけじゃ落ちないぞ」

涼音「彼は、男っぽくて口が悪い、元々のツムが好きみたいで

   誰かさんと違って、心から自分を見てくれてるから、

   自然体で安心して向き合えるって言ってたよ」


葵「スズも落ちる?」

涼音「私は葵の彼女だよ、私だって葵が転校してきた時から

   ずっと待ってたんだから」

葵「オレだって、本当の心に気付かなかっただけで、

  ずっとスズが好きだった(みたい。言えねー)」

涼音「葵♡」

葵「スズ♡」


飛鳥・美玖・結衣

「あのね、そーゆーのは、他で二人でやってくれない」

涼音・葵「でへ♡」  


さてさて、試合に戻って。その後は投手戦になり、

広松西のエース長田は鈴丘東を2回以降、

パーフェクトに抑えたが、

鈴丘東の井田君も4回、7回、9回のピンチをしの


審判「1対0で鈴丘東の勝利!」


広松西 坂東監督が泣き崩れる選手たちの前で

「俺の情報不足と采配ミスだ・・・

 以外にこんな投手がいるとは

 すまん。俺の責任だ」

自分の非を認めて、深々と頭を下げる名監督であった

涙を流しながら


だから、選手が集まるんですな


涼音「さあ、帰りますか~」

美玖・結衣「私たちは、晴輝と海と合流するけど」

葵「そうだな、あの投手のことも聞きたいしな」

涼音「飛鳥も行こうよ」

飛鳥「いいよ」


シード校に勝って高揚した鈴丘東の選手たちが出て来るで~

美玖「晴輝~おつかれ~」 結衣「海、やったね!」

晴輝「お!ありがとう!まだまだ上に行くぜ~」


すると鈴丘東の選手が一人、走って近づいて来て

「飛鳥さん!ご無沙汰しています」


井田君だった。近くで見るとよりイケメンやな~

涼音・美玖・結衣【♡♡♡】

注釈:今日の涼音ちゃんはイケメン女子スタイルでおま


「井田君、私のこと知ってるの?」

「はい、小学校の頃から知っています」

「井田君はアメリカ帰りだよね?それにクラスも違うし」

「小学校1年の時、2か月だけですが同じクラスだったのを

 覚えていませんか?」

「確か、入学してすぐに海外へ行った男の子がいた気がするけど

 その子が井田君だったの?」

「はい」

「そうだったんだ」

「飛鳥さん、よかったらラインを交換して頂けませんか」

葵【何!】

「いいけど」

葵【何!?】

涼音 ぱこーん!

葵【涙】


「夜に連絡してもいいですか」

「うん、いいけど」

「ありがとうございます

 皆さん、割り込んですみませんでした

 失礼します」


涼音・美玖・結衣 ♡♡♡

【イケメン♡優しい♡礼儀正しい♡誠実♡真っすぐ♡

 野球が上手い♡帰国子女♡

 やっぱり、相手を間違えたかな】


葵・晴輝・海「いやいやいや」 焦ってるで~


井田「君が工藤君ですか」

葵「そうだけど」

井田「対戦できる日を楽しみにしています」

葵「ああ・・・」


晴輝「井田、凄かっただろ」

葵「ああ、オレと鬼厳よりもな

  なんで教えてくれなかったんだよ」

晴輝「お前は友達でも、野球じゃ敵だからな」

葵「オレ、この予選に出てませんけど」

晴輝「いや敵だよ。この先も東の情報は言わない」

葵「オレもな」


海「まあまあ、もしかして、俺たち甲子園に行っちゃったりして」

葵「名新学園の存在を忘れてないか」

晴輝「確かにな」


名新学園 高等学校 

5年前に設立された中高一貫のスポーツ強豪校

全国から選手を迎い入れ、急速に各競技で実績をあげ

野球部は昨年、ドラフトで育成選手を一人排出し

今春の選抜でベスト8

今年は有力な選手が多く集まっているのだ


晴輝「じゃあ、俺たち学校に戻るから」

葵「ああ、またな」

涼音「あれ?樹いたんだ?」

美玖・結衣「ほんとだ!」

樹「・・・」 ←いつか、いいことがあるさ!


とその時、護衛を引き連れた紬ちゃんが来るで~

涼音「あれ、ツム~!こっち、こっち!」


「スズも来てたんだ、葵、久しぶり!」

「鬼北さんは?」

「学校へ戻った」

「そっか、惜しかったねって言った方がいいのかな」

「私は彼の彼女である前に、鈴丘東の生徒だからね

 嬉しいよ」 

  ↑その割には広松西側のスタンドに居ましたけど


「葵、これからは涼音だけを見てあげなよ」

「ツムちゃん・・・なんかゴメン」

「やめろよ!私がみじめになるじゃん」


葵のまわりの恋もいろいろ動き出したで~

わての大好きな飛鳥ちゃんもなんかええ感じやし♪


~つづく~

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