リーゼカレッジ 〜導きの書と運命のこどもたち〜

小豆沢まやか

プロローグ

0-1 賢者と従者

 むかしむかし、あるところに賢者さまと従者さまがおりました。

 ふたりは世界中を巡り、様々な知恵をひとびとにつたえます。かれらの知恵のおかげで、ひとびとの生活はうんと豊かになりました。

 しかし、時の王様は賢者さまの存在をよくおもいませんでした。王様は賢者さまがその知恵を使って、自分に取って代わることをおそれたのです。王様は賢者さまを捕らえようとしますが、従者さまは賢者さまをその身を挺して逃します。そしてひとびとの見守る中、従者さまは王様の命令で殺されてしまうのでした。

 従者さまのそんな姿を見た賢者さまは、ふかい悲しみに暮れました。彼は洞窟に身を隠し、その知恵を本として世に伝えるものの、すぐに亡くなってしまいました。賢者さまと従者さまのごきょうだいは、ふたりのご遺志をけっして無駄にはしないと誓ったのです。

 かれらはそれぞれの子供たちを、あらたなる賢者さまと従者さまとしてそだてます。そうして育った賢者さまと従者さまは、さまざまな偉業を残します。学校を作ったものや、魔力をエネルギーとして利用することに成功したもの…かれらの活躍がなければ、今の私たちの生活はなかったでしょう。

 そして11ばんめの賢者さまであるレオニートさまと11ばんめ従者さまのリーザさまは、ときの政府のらんぼうさに耐えかねて、なかまとともに立ち上がります。

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