これは単なるホラーではない。日常に潜む奇妙な出来事が、じんわりと心に不快な余韻を残す短編集だ。子どもから大人まで、誰もが経験するであろうささやかな違和感。例えば「あれ、さっきの人は？」というような、気のせいだと見過ごしてしまう瞬間に潜む恐怖を描いている。

読者は、**「もしかしたら、自分にも起こるかも…」**という身近な恐怖を体験することになるだろう。物語が進むにつれて少しずつエスカレートしていく恐怖は、ゾクゾクするような背筋が凍る感覚を与えてくれる。この小説を読んだ後、あなたが見る風景はきっと少し違って見えるはずだ。

なぜなら、その違和感の正体を知ってしまったから。この奇妙で不穏な世界を、ぜひ体験してみてほしい。きっと、もう後戻りはできない。


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もう…最初の辺りから不穏さが立ち昇る。
　イミノミヤ　とは、何なのか。
気になったら…取り憑かれてしまう。
　そして不安と不穏との坩堝に、じわじわ
取り込まれて行く。

一見、流行りのモキュメンタリー調に
見えるかも知れないが、中身はしっかりと
創り込まれたホラー小説である。

　しかも、怖い。

だがしかし、これはモキュメンタリー？
そんな良い所取りの臨場感もある。
　少なくともドキュメンタリーではないと
信じたい。ドキュメンタリーだったら
世も末だろう。

　　兎に角、ホラー映画を観ている様に

息を呑み読んでゆく。

兎に角、読んでみると分かる筈だ。
ジャンルや手法は問題ではなく、只々
ドキドキしながら暗闇を手探りで歩く。

とても魅力的な作品。