第1話 町を照らす温かな光
世界の技術は進みに進み。労働AIと呼ばれる
※
《へぇ。じゃぁ絵描きは趣味として長く続きそうなんだ。良かったわね。》
そう電話ごしの咲花が優しい声で言ってくれる。
その咲花の言葉が嬉しくて私は明るい声で「うん。これも咲花のお陰だよ。本当にありがとうね。」とお礼を言う。
《親友の助けになったなら、ウチも嬉しいよ。》
おぉ。我親友は本当にできた奴だ。
今度ご飯でも奢ろう。
「咲花は今どこに居るの?」
そう私は尋ねる。
咲花は趣味時代になってからこの日本を飛び回っている。労働時代には忙しくて行けなかった場所の写真を撮るためだ。今の時代、旅行も結構安く行けるみたいだ。…旅行かぁ。そう言えば、社会人になってからまともな旅行とかしてないや。旅行先で見た景色を絵にするのもいいかもなぁ。うん。気が向いたら1人旅でもしよう。…多分するよ…きっと。気が向いたら…ね。
《北海道。大きな自然を感じたくてね。》
「おぉ。でっかいどうですか。それはいいですねぇ。何かお土産でも買ってきてよ。素敵な旅行話と一緒にさ。」
そう私がお願いすると咲花は軽く笑って《りょ~か~い。》と返してくれた。
北海道で有名なお土産ってなんだろう?
まぁ、楽しみにしてよう。
私達の会話はそこで終わり電話をきる。
うんうん。我親友も趣味を全力で楽しんでるみたいだな。よ~し。私も楽しむか。
そう思いながらふとベランダの窓に目線を向けるとそこには綺麗なオレンジ色の
この窓からの夕陽なんて何回も見ているはずなのに今日の夕陽はなぜか私の心を強く掴み温かい世界に引きずり込む。
心がじんわり温かくなってくる。
その温かさは心から身体全体へと広がっていく。その温かさを自分の心と身体に刻みながら私はオレンジ色の世界をじっくりと観察して記憶の写真に収めた。
やがてオレンジ色の世界は暗闇に消えていく。
暗闇に変わった世界で私はスケッチブックに鉛筆を走らせる。
先ほどの温かい世界を私色に変えて絵にするために。ザッザッザッと心地のいい音と自分の心が踊るリズムで私はどんどんと鉛筆を走らせる。私の
※
絵は3時間ほどで完成した。
完成した絵を私は見つめる。
うん。今回も自己満足としては
そう想いながら頷く私の視線の先のスケッチブックには黒い暗闇に
━ぐ~。
自分のお腹が鳴る音を聞いて私は目線を部屋の時計に向ける。時刻は21時を回っていた。
あらら。絵に集中しすぎてこんな時間に。さ~ぁてと夕飯食べますかぁ。
今日はナポリタンが食べたい気分です。
近くのスーパーに買いに行こ。
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