王都

第112話 王都の館にて

それからは、とんとん拍子に話が進み、エリーゼ様の完治が見込める治療開始の付きから一年が過ぎたので、王都へモーリス様、エリーゼ様と共に、馬車で移動した。ヘリス子爵からの干渉を防ぐために、薬屋は開業できていない。領軍への薬の納入は始めているけど。ファルスさんは一旦森に帰るって。近ごろ、祈りの場を探しているみたい。以前より、魔の森の侵食が進み、街や村の位置も変わっているみたいで、すんなりと見つからないみたい。


やはり、異世界あるあるで、馬車はおしりを痛くすると思いました。今度、長距離移動の時には、クッションを持って行こう。だからと言って、改造はしないよ。そんな技術はないから。異世界知識?何それ美味しいの?リバーシだけでお腹がいっぱいです。


王都のミリオス伯爵邸にて、アルヌス様の奥方のイザベラ様とカフールさんの息子のヘンリーさんが出迎えてくれた。

「お義父様、お義母様、お久しぶりです。お義母様は、以前のご様子からは信じられないぐらい元気になられて、うれしいです。」

モーリス様が「イザベラも、アルヌスが留守の間、館を守ってよく頑張ってくれた。」

エリーゼ様が「その節は心配をかけましたね。本当にバカ息子がやらかして、今、領の方で、いろいろ頑張らせているの。結構、時間がかかりそうだから、もうしばらくお願いね。お手伝いできるところは、主人と私で手伝うから。」

「ありがとうございます。ところで、そちらの方は?」

「そうそう、私を治してくれた回復師のマルス君というのよ。良くしてあげてね。」

イザベラ様が「まあ、ずいぶんお若い方ですのね。ですが、澄んだ綺麗な魔力をお持ちですね。お義母様のご病気を治したと言われて、納得しかありませんわ。」

モーリス様が「うちのバカ息子よりよっぽど、人を見る目がある。」


「回復師で薬師のマルスと申します。よろしくお願いします。」

イザベラ様が「よろしくね。そして、お義母様を治してくださり、ありがとうございます。」

「いえ、ご依頼に応えただけですので。」


モーリス様が「ヘンリー、マルスの部屋の用意を頼む。当分、当家で預かることにする。」

僕が「すみません。私は、この屋敷では、肩が凝りますから、街の宿屋で泊まらせて貰いたいのですが、宜しいでしょうか?冒険者ギルドの依頼も受けないといけないので、貴族街では、少々、不便だと思います。ご厚意だけ受け取ります。」

「そうか、では、連絡が着くように、ヘンリー、信用のおける宿屋を紹介してやってくれ。宿代は、当家で払うことにする。


また、このメダルを渡そう。当家の関係者とわかるメダルだ。何か身分を証明するときに使ってくれ。」

「使わないことを願いますが、念のため、お預かりいたします。

では、例の物の対応で、こちらにお伺いいたします。その時はよろしくお願いします。」

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