第83話 エリーゼ様の病名は
エリーゼ様は、「そこまで、慎重にしなくても、あなたの姿を見た時から、信用しているのだけれど、まあ、慎重な態度は、大事よね。では、お願いできるかしら?」とおっしゃられたので、モーリス様の方を見て、確認を取り、
「エリーゼ様、リラックスしてください。では、”エグザミネーション”。どうですか?」
「確かに、これは光というか、魔力かしら?が通っただけのようね。
で、どんな感じかしら?」
「少し、お待ちください。いろいろ考えねばなりません。ただ、身体中を蝕んでいる痛みがあると思われるので、そちらに対して痛みを抑える魔法をかけされていただきます。
”サプレスペイン(痛み抑制)”、どうでしょうか?少しは、痛みが抑えられていると思いますが。」
「まあ、驚いた。今日は、少し体調がよかったけど、先ほどの魔法を使ってもらったら、身体中の痛みが治まったわ。久しぶりの感覚よ。」
モーリス様が「そうか、それは良かった。マルスよ。ありがたい。礼を言うぞ。」
「いえ、痛みを抑えただけで、まだ、容態に関しては、判断がついておりません。もう少しお待ちください。」
エリーゼ様が、「ずっと、身体中を襲っていた痛みが和らいでいるから、眠気が出てきたわ。少し、眠らせてもらってよいかしら?」
モーリス様が、「あい分かった。ゆっくり寝てくれ。」
僕は、カフールさんへ、「別室で少し考えますので、案内をしていただけませんか?」
カフール様が「確かに。エリーゼ様のあのようなお顔は久しぶりにございます。いつも無理してお笑いになっていたのに。ゆっくりお休みいただくためにも、別室に移りましょう。ご案内いたします。」
サラさんは、そのまま、エリーゼ様の所に残られるようなので、モーリス様、カフールさんと3人で別室に移った。
別室に移ったあと、モーリス様が「あの痛みを抑えるとかいう魔法だけでもかけてもらって、助かった。エリーゼは口には出さないが、病がひどくなってから、ずっと、痛みをこらえていたのだな。」
しかし、病気については、厄介だ。案の定というか、どこかで思っていた通り、病気はガンだった。それも、末期ガンだ。相当、痛みがひどかっただろうに、一生懸命隠しながら、生活をされていたのだろう。お辛かっただろうなぁ。
「半刻ほど、時間をください。その間に情報を整理します。」
「わかった。魔法を使ったのだ。少し休んでくれ。」
モーリス様とカフールさんが出て行ったあと、ソファーへ倒れこむように、横になる。魔力、体力的には問題ないが、精神的に疲れた。前世の親がガンで亡くなったが、抗がん剤のせいもあるかもしれないが、大変な痛みを伴っていたと聞く。それを、エリーゼ様はあんな優しいお顔で対応してくれて、絶対に助けたい。
たぶん、教会の司教は、何も考えずに、ハイヒールかエクストラヒールを体全体にかけていたので、健康な部分だけではなく、ガンの部分まで活性化させてしまい、病状を悪化させていたのだろう。病状を確認しないで、力押しで。もしかしたら、今までの病気も魔力頼みで治していたのかもしれない。
でも、どうする?ガンを摘出する?どうやって?摘出した後なら、エクストラヒールで、欠損部分を魔力で補って治すことが可能だけど、どうやって摘出するかが問題だ。体力的に、一番大きな分、胃のあたりにあるガンを早急に取り除かないといけないけど、いきなり、その部分を治すのは、無謀だ。転移した小さいガンで一度試してから、取り掛かるか?
あ、錬金術に、分離と排出って魔法があったな。たしか、、、、と収納から錬金術の教本を取り出して、読み始めた。おばあちゃんが、一部の薬草から毒の部分を取り除いて薬を作る時に使っていたので、やり方は覚えている。あとは、健康な部分とガンの部分を判別して、分離で体外へ排出する必要がある。やはり、転移した小さいところで、試さしてもらってから、胃の部分に取り掛かろう。それが終わってから、体力が少し戻るのを待って、残りの転移した部分を摘出していく。問題はガンのみを選別する事だよな。探索で立体的に物を認識出来るから、相手の魔力を邪魔しないぐらい詳細に精密に魔力を流す事で出来るかな?”ディテールド サーチ(詳細探索)”と名付けよう。
エクストラヒールも、身体全体にかけたら、教会の司教のようにガンも活性化させてしまうし、範囲を絞った使い方をしないと駄目だな。
とか、いろいろ考えているうちに半刻が過ぎていった。
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