回復師のほのぼのとしたい(願望)の異世界生活(旧名:回復師のほのぼの異世界生活)
梅の精
ファルスとの出会い
第1話 はじめ
「おばあちゃん、薬草と野鼠がとれたよ」と、奥にいるおばあちゃんに声をかけた。
昔は、おばあちゃんと二人で、薬草や食べれる山菜、野鼠や角うさぎを捕る罠を教えてもらいながら、森に入っていたけど、今は、おばあちゃんも足腰が弱くなったと言って、僕だけで取りに行っている。
今日も、太った野鼠が罠にかかっていたので、山菜と一緒に料理を作っていると、奥から「ずいぶん太った鼠だね。夕食が楽しみだよ。」と笑いながら、出てきた。
「今日は、山菜もいくつか採れたから、期待していて。」とは言っても、村からポーションの代金でもらえる塩が少なくて、ハーブで誤魔化しながら作っているから、あまりおいしくないんだけど。
おばあちゃんは、村はずれに住む薬師だ。僕マルスとおばあちゃんと二人住まいだ。
僕たちの家族は、村人曰くよそ者とかで、必要な時以外、誰も立ち寄らない。
それに、僕は、2年前に5歳児は全員が受ける必要のある「授けの儀」で、F級回復師を授かり、村のみんなに馬鹿にされ無視をされている。
回復師の等級はヒールだけなら、こんな感じ
F級:ヒール(擦り傷や浅い切傷を治せる、軽い風邪なども直せる。)を使える
E級:ハイヒール(深い切傷や骨折なんかを治せる。重い風邪や肺病なども直せる。)を使える
「授けの儀」で、ハイヒールを失敗したせいで、ここから先は、お前に意味がないからと、神父さんは教えてくれなかった。解毒のキュア系とか消毒系とかいくつか教えてほしかったのに。
こんな田舎の小さい村では、E級すらいないから、教えてくれてもいいのに。
僕は、一回に使える魔力が少なくて、ヒールしか使えない。
でも、そんなこと関係なくおばあちゃんは普通に対応してくれるから大好きだ。だから、僕はおばあちゃんを絶対に守るんだ。
そんな僕に対して、おばあちゃんは薬の作り方を教えてくれて、今は、初級、中級ポーション、初級、中級キュアポーション程度は作れるようになった。
それ以上は、多めの魔力を使わないと作れないので僕では作れないけど、レシピは頭に入っている。
でも、内緒にしなくてはいけないらしい。まあ、僕の作るポーションなんて、誰も使ってくれないだろうけど。
両親は顔も知らないけど、こんなおばあちゃんが居ればいいと思っている。
ただ、おばあちゃんにも言っていないことがある。心のどこかにぼんやりと、前世?、別の人として生きた記憶がある。
名前とかわからないけど、なんとなく、今とは違う世界の記憶。とはいっても、この世界とはいえ、この村と森しか知らないけど。
――――――
2025/04/08 ヒール系の説明が、後で、問題が出そうなので、少し削りました。
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