それでも、という言葉

刻まれていく

流れていく

それは粛々と容赦ない

この時間というもの


夢中で駆け抜けてきた跡は

惨憺たるものだったりするけれど

振り返ってばかりでは

生きていけないから

それでも

と、顔を上げ


目の前の道はどんどん細くなっていく

それでも

それでも

と、言い聞かせるように

つぶやきながら


間違いも失敗も後悔も不足も

すべてはわたしのものだから

どれだけ弱音を吐いて泣き喚いても

誰かのせいにはしたくない


それでも、という言葉が好きだ

往生際が悪くて

愚かな捨て台詞みたいでも


それでも、という言葉が好きだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る