第11話

 メテオラは対策を考えます。だけどなんの解決策も見つからません。空を飛べないメテオラはこうして空から落っこちることしかできないのでした。


 メテオラは困ってしまいました。一応、カバンの中に手作りの森の薬草の傷薬はありますが、それでなんとかなるとはとても思えません。


 ……ど、どうしましょう?


 そんなことを考えているメテオラの視界の中に、遠くから高速で近づいてくる一つの小さな影が見えました。


 その影は瞬く間に大きくなり、やがてはっきりとした姿となってメテオラの瞳で捉えられるようになります。


 それはものすごい速さで空を飛んでいるマグお姉ちゃんの姿でした。


 マグお姉ちゃんの姿を見たことで、メテオラの意識は一瞬で覚醒します。


「……マ、マグお姉ちゃん!!」とメテオラは力一杯大きな声でそう叫びました。


「しゃべらないで!! しっかりと私の手につかまって!!」そう叫ぶマグお姉ちゃんの顔は真剣そのものでした。めったに見られないマグお姉ちゃんの本気の表情です。


 高速で空を飛ぶマグお姉ちゃんはメテオラに片手を差し出していました。その手に向かって、メテオラも自分の片手を可能な限り限界まで伸ばします。


 それはメテオラとマグお姉ちゃんの体が空中で交差するその刹那の瞬間でした。


 マグお姉ちゃんはメテオラの手をしっかりと捕まえて、メテオラはそんなマグお姉ちゃんの手を懸命に握り返していました。


 マグお姉ちゃんはそのままメテオラの体を抱きかかえるようにしてくるくると空の中を回転して、力を四方八方に分散しながら減速すると、やがて空の中でなにごともなかったかのようにぴたっと動きを止めて停止しました。


 マグお姉ちゃんに息の乱れはなありません。ただその完璧だった魔法使いの服装が少しだけ乱れていました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る