第10話 希望
[農民D]ようやく収穫できそうなのか。長かったな?
[至誠 ]うるせーよ!? なんだよこのクソゲー! ただの農業なのに死に過ぎだろ!?
[農民D]ようやく気付いたのか……。長かったな?
[至誠 ]くっそーーーー!? 絶対に高値で売って、ヒロインを幸せにしてやっからな!!!
[農民D]果たしてそう簡単に売れるかな?
[至誠 ]まだ何かあるのかよ……。
[農民D]そもそも成育イベントはどうだったんだ? 台風はないだろうけど、バッタ位倒したか?
[至誠 ]ねぇよ。あんなの倒せるかよ? 画面中バッタで埋まった上にヒロイン喰い殺されたよチクショウ!
[農民D]ご愁傷様……じゃあ、普通に魔猪とか魔鹿とかか?
[至誠 ]そうだな。大きな蛇だったわ。あいつ街道壊すし最悪だった。
[農民D]ご愁傷様。それ、農作物売りに行けないぞ?
[至誠 ]はぁ!!!? ふざけんなよ、クソ運営!!!!!!!?
「これでよしっと」
「なんとか修繕できたね」
「あぁ、コハルたちのおかげだ。助かったよ」
順番に、俺、コハル、ルーダだ。
俺達は大量のバッタと"暴風の化身"に壊された家や畑の片づけと修繕を終えたところだ。
ん?
なんで普通に"擬人化"してるんだって?
そんなの、少しでも手が欲しいコハルが俺を"擬人化"したからに決まってるだろ?
もちろん、今回は服も用意してくれてた。
俺に合うサイズにルーダの服をファナが治してくれたらしいから、ありがたく着ている。
それにしても、"擬人化"した俺のスペックは凄まじかった。
さすが100近いレベルを誇るまさに神具のような俺だ。
家自体でも持ち上げられそうなほどの膂力に、尽きないスタミナ。
さらに昼夜を問わずに働き続けられるのは人間じゃないからだろうな。
なんて思ってた時期が俺にもありました。
実際には、せいぜい30分くらいしかもたなかった。
理由はコハルの魔力量みたいだ。
つまり、俺が"擬人化"している間中、コハルは魔力を使い続けていて、コハルの魔力が一定量を下回ると自動的に"擬人化"が解除される仕組みだったらしい。
チクショウ!
"擬人化"したら高まった親密度もあって、夜になればあれやこれややりたい放題だったはずなのに、ただ突っ立ってるだけでコハルが力尽きてしまうじゃねーかよ!!!?
違うんだ。
俺は、俺の魅力でコハルを立てないくらいの快楽に引きずり込むんだ……(以下、放送自粛って、もう書いてるやないかい!?)
しかし希望はある。
俺のステータスを思い出してほしい。
君たちも見ただろ?
あぁ、そうそう。それだ!
耐久値がめっちゃ減ってるやつだよね……って、おい!
それ気になってるけど、気にしたら負けな気がするからあえて視線をそらしてるやつだから!!!
そこじゃない!
そこじゃないよ!?
"
これは希望だ。
だって、そうだろう?
もしかしたら"擬人化"だって、スキル欄に入ってくるかもしれないだろ?
そうなったら無尽蔵な俺の魔力で夜だろうが、昼だろうが、朝だろうが、至る所で致してやるぜ!
「よし、回復したわ。じゃあ、もう一回お願いね、
「あぁ、任せろ」
それにしても、いつになったらコハルは俺を名前で呼ぶんだろうか。
まさか忘れてるとかじゃないよな……親密度高いもんな?
そもそもどれくらいまで上がればオールOKな据え膳状態になるのかはわからないけど、確か10とかから始まって、今は460なんだから結構高いよな?
今でも語尾にハートマーク憑いてる感じになってる気がするし……。
これでようやく仲間として認められたくらいとか言われたら、俺、あと何回"暴風の化身"をぶっ飛ばせばいいの? って感じじゃないか?
「これが完了すれば、明日からはいよいよ収穫ね♡」
「あぁ……街道が壊れちまってるのが気になるけど、大丈夫かな?」
「ふむ……鍬くん……もしかして治せたりしないかな? 街道が壊れていると農作物を出荷できないから」
「わかった、やってみよう」
危ない危ない。
収穫の日まで放置したら農作物を売りに行けず、税金を払うお金や来年植える種や苗が買えなくて摘むところだった。
この場合、コハルは税金のかたに悪徳貴族に連れていかれて散々に尊厳を傷つけられた上で捨てられ、領都のスラムでも嬲られ続けて死ぬ……。
いつも思うけど、いらねーだろ、この描写はよぉ!!!!!?
ついでに、税金はコハルで支払えたものの、来年植える種も苗もないルーダたちもそのまま餓死する。
ほんと鬼畜運営によるクソゲーだよな。
「暴風は無事退けたけど、どうやらうちの周辺以外でも道や橋が壊れてるらしい……領主や国が予算をつけてくれればいいんだけど……」
ルーダが何か言ってるけど、大丈夫だろう。
俺にはゲームの知識があるからな。
ただ、日本に生きていた俺はなんでこんなゲームにはまったんだろうか……。
思い出せなくなってきた。
まぁ、きっとヒロインが可愛いからだが。
昔を思い出したら腹が立ってきたな。
俺は絶対に負けないからな!
絶対にコハルを助ける。
そしてラブラブになってイチャコラして行けるところまでイクんだ!!!!
それに、俺達は"暴風の化身"を倒した。
この世界では全ての人間がステータスを見ることができ、モンスターの討伐歴は記録されている。
実際にコハルの討伐歴には俺による"暴風の化身"討伐がしっかりと書いてあった。
これは間違いなく後で国王陛下に表彰されるはずだ。
勲章が貰えるはずで、それによってコハルは準貴族になれる。
そうなったらもうあのクソ悪徳貴族に怯える必要はなくなる。
きっつい経験だったけど、俺達はしっかり未来を掴んだんだ。
「なでなで♡」
『ん? どうしたんだ?』
「なんでもないよ。お手入れお手入れ~♪」
『んん???』
---イベントクリア!---
<
[種族] 農業用具・
[レベル] 100(レベルアップによって強く、魅力的になっていく)
[所有者] コハル(親密度520、ライクモード突入)
[ステータス] 攻撃力+2,000
[スキル] "身体強化"、"
[付与スキル] "
[耐久性] 238
[特徴] リガイアへの転生者の魂が宿った
<討伐歴> ※名前:レア度:討伐数:備考
・ラグラン・グラード:-(判定不能):0体:悪徳貴族。討伐失敗。
・レイピア:-(判定不応):0体:ラグランの持つレイピア。討伐失敗。
・暴風の化身:8(レジェンド):1体:この世界の台風の本体。討伐した? マジで? 国に表彰されるレベルだよ?
・ビッグモグラ:3(レア):2体:残虐非道な序盤ボス
>> 詳細を見る
---
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます