第41話:ライバルロボの登場

 「ふむ、連絡は受けたが災難だったな」

 「まあ、ちょっと油断してました」


 テンセイベースにて、博士に報告をする俺。

 博士は特に驚くでもなく普通に聞いてくれた。


 「うう~~! 折角赤羽君が誘ってくれてたのに~!」


 黄河さんは落ち込んでいた、まあ予定があったんだから仕方ないよね。


 「こっちも、ランニング中にひったくりを捕まえたりしたぞ♪」

 「清丸もやるな♪」

 「スイレンが僕を背に乗せてひったくり犯を追うのは、怖かった」

 「ああ、ケルピーも馬だからな」


 親友のブルーの活躍を喜び二人でハイタッチ。


 「自分はせんぱいがバトルしてた頃は、家の手伝いだったっす!」

 「私はサッカーしてたけど、きびちゃんは人として偉いよ~♪」


 ピンク担当のきびちゃんをグリーン担当の緑山さんが褒める。


 「うむ、皆それぞれ充実した休日のようで何よりだ♪」


 ゴールド担当の博士は俺達を見て微笑むのであった。

 ブラック担当の永遠さんは、月にある第二基地かな?

 何と言うか、自分の縄張り作りで休日が潰れてるのは可哀想な気がした。


 「では、我々に来ている案件だが北海道に興味はあるかね?」

 「はいはい~♪ トウモロコシの収穫作業とかなら興味があるっす~♪」


 博士の言葉にきびちゃんが手を上げて答える。


 「いや、まだ場所氏か言ってないからな?」


 清丸はやれやれと言った顔で呆れた。


 「もしかして、漁業関係のお手伝いですか?」


 黄河さんが、食べ物関連かと聞いて来る。


 「いや、残念だが自衛隊と合同での演習だ」

 博士が気圧されつつ、申し訳なさげに答える。


 官民双方の防衛組織が競い合う、巨大兵器合同演習。


 博士の言葉を聞いて落ち込む、黄河さんときびちゃん。


 「テンセイオーでバトルですか? 気合入れて行きます♪」


 俺は喜んで答えた。


 「うん、俺達のレッドが暴走しないように付いて行かないとな」

 「北海道、行った事はないから楽しみです♪」


 清丸はいつもの態度、緑山さんは北海道に行くのが嬉しいらしい。

 こうして俺達は、北海道へと赴く事となった。


 広大な北海道大演習場、広い、ただひたすらに広い。

 戦車競技会とかするだだっ広い大地に、巨大ロボが集う。


 緑色の陸自ロボは、大地に根を張る大樹の群れみたいだ。

 まるでロボの原生林だと、どこぞのレポーターみたいに言いたくなる。

 手足にキャタピラ付いてるのは、変形するのかな?


 俺達はロボをバックに自衛隊の皆さんと整列し、偉い人のスピーチを静聴する。

 自衛隊の人に合わせて敬礼とかする。

 スピーチと説明が終われば、演習開始だ。


 「自衛隊さんのは、皆二十メートル級っすね?」


 ピンクに変身したきびちゃんが、自衛隊さんの二五式にごしきを見て呟く。


 「四メートルの二〇式もあったな、随伴歩兵かな?」


 ブルーが二五式のそばにあった小型ロボも見て感心する。


 「演習後の自衛隊さんのカレーが楽しみだよ~♪」

 「いかん、イエローが飯の顔になってる!」


 自衛隊さんのテントを見つめるイエロー。

 自衛隊のカレーは、俺も楽しみだけどな。


 「イエローはさっきおにぎり食べたでしょ?」


 グリーンがイエローを宥める、俺達はいつものようにぐだぐだだ。


 他のヒーローは、金のシャチホコの兜を被った金色の武者ロボ。

 ローズファイブの巨大ロボ、ローズガーデンも来てる。


 俺達もテンセイオーに乗り込み、いざ演習開始だ。


 自衛隊二五式は、屈伸みたいに体を曲げて戦車形態へと変形し走り出す。

 小型の二〇式が戦車形態の二五式の上に乗りマシンガンを撃って来た。


 「うお! 兵聞拙速って言うが機動力高いな!」


 こちらは普段は、タッパが同じかデカい相手と戦うのでこういうのは初めてだ。

 動き回られたり、死角を突かれたり。

 撹乱や包囲と、戦車とロボの双方の形態を巧みに使い分けてくる自衛隊チーム。


 『レッド、俺達も分離するぞ!』

 『こっちも動いて行こう!』

 「良し、あっちの戦法をパクるぜ分離!」


 俺達テンセイオーも分離して散開し、サイズをダウンせて対抗する。

 ヒーロー側の分離が出来ない単体の巨大ロボは、壁役に回るなど頭を使い出す。

 

 接近戦では人型、砲撃で戦車の形態を使い分けて来る二五式。

 だが、なれて油断すると戦車形態で突っ込んで砲撃が来る。

 

 「うお、これは車懸の陣か!」


 更には戦国時代の合戦の陣形も取り入れて来て囲まれて攻撃される。

 戦いは数だなあ!


 ヒーロー側もやられっぱなしでは駄目だ。

 と、俺達のように分離できるロボが頑張って倒す。

 だが、自衛隊にはペイント弾でペンキ塗れにされたのであった。


 『く~~~! 流石は自衛隊っすね!』

 『うん、悔しいけれど統制のとれた動きは中々崩せないね』

 『やっぱり、こう言う戦争には自衛隊さん達の方が上手だね』

 『だが、やられっぱなしでいる気はないだろ?』

 「ああ、午後の後半戦はリベンジかまそうぜ♪」


 俺達は合体させたテンセイオーの中でやり取りをする。

 午前の演習ではコテンパンにされたが、次は勝ちたい。


 他のヒーロー達がや自衛隊が一旦、ロボのメンテに入る中。

 俺達のテンセイオーは魔法で水を生みだして洗浄した。


 「さて、あれこれ記録が溜まってるなあ? ん、アラート?」


 コックピット内にあれこれ浮かぶホロスクリーン。

 だが、スクリーンのひとつから敵襲を警告するアラートが鳴り響いた。


 「バリヤー展開! 皆、敵だ!」


 俺が機体を操りバリヤーを張ると同時に、機内に衝撃が響き渡った。


 『……ほう、勘の良い奴だな?』

 「ちい、何処の悪党だ!」


 モニタースクリーンを見て悪寒が走った。

 抜き身の二刀を上下に構える、巨大な銀の鬼武者。

 タッパからして同サイズのロボ。

 緊急召喚で抜身の転生剣を装備し上段霞に構える。


 『ほう、俺に刀で来るとは面白い♪』


 銀の鬼武者は二刀を中段で十字に構える。


 「行くぜ皆、バーニア全開!」

 『『了解!』』


 俺はテンセイオーを操り、突進。

 緊急召喚で転生剣の鞘も装備して十字受けする。

 ロボ同士が激しい金属音が鳴り響き、互いの位置が入れ替わる。


 『ふん、鞘を守りに使ったか』


 バラバラと転生剣の鞘だった物が地面に転がる。

 テンセイオーは装甲が傷ついたが転生剣は無事だ。


 「くそ、マジで勘が働かなければヤバかった」

 『レッド、どうする?』

 『いや、ブルー先輩やらなきゃ駄目っす!』

 『そうだよ、あの銀のロボ只者じゃない!』


 ブルーが聞いてくるが、イエローとピンクが立ち向かえと言う。


 『他の皆は呼ぶ?』


 グリーンが増援を呼ぶかと聞く。


 「いや、イエロー達の言う通り逃げないし加勢は求めない!」


 操作し、相手と向き合う。

 こう言う謎の強敵は、味方に援護を求めたりするのは被害が増える恐れがある。


 『ふむ、メインパイロットよ貴様は良い剣の師に恵まれたようだな?』

 「気構えとか教えてもらったよ、サンセットブレイク!」


 転生剣を大乗打に構え、刃に魔力の炎を灯してから飛び込み面を繰り出す!

 基本に忠実の、一刀両断の必殺技だ。


 『……ふむ、良い打ち込みだな』

 「ちい! 受けられた! 緊急分離っ!」


 テンセイオーの必殺技は奴の二刀の上段受けで止められる。

 俺はカウンターを警戒し、テンセイオーを緊急分離させる。

 すると、俺達がいた場所を斬撃の刃が空を切った。


 『ほっほ~~う♪ これを避けたか、実に面白い♪』


 銀の鬼武者ロボのパイロットが老人口調で喜ぶ。


 こちらは再度合体しテンセイオーとなり、八相に転生剣を構えた。


 「で、もしかしてここまで言ったのが俺達が初めてとかか?」

 『うむ、勘が鋭い奴だのう♪ 我が名は剣鬼ザンゴ、機体の名はシロガネ』

 「テンセイジャーのテンセイレッドと、テンセイオーだ!」


 銀の鬼武者ロボ、シロガネを操るザンゴと言う謎の人物と名乗り合う。


 『テンセイレッド、その命預けておこう。 師の下で稽古を積んでまいれ♪』


 こちらを面白い玩具のように言いやがった。

 シロガネは刀を天に掲げると、落雷を浴びて消え去った。


 「くそ、ヤベえ奴に因縁ふかっけられちまった」


 パイロットがどんな奴かは知らないが、修行の必要が出てきたぜ。

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