第六章:夏の激情祭り編
第36話:第二基地へ行こう
雨か、俺の嫌いな梅雨が近いな。
「ピヨ、部屋干しでも大丈夫ピヨ♪」
「いや、ありがたいけどなそれは」
ヒノエのお陰で部屋干しでも洗濯物は完ぺきに乾く。
「掌に魔力を込めて、ピヨ~~~っとすれば皴もなくなるピヨ♪」
「ああ、火属性の魔法をアイロン代わりにするのか♪」
「灯希は前世の頃から、無頓着だったピヨ」
「戦闘力の方が大事だったからなあ、前世の頃は」
「生活力にもステータスとスキルを割り振るピヨ」
「へいへい、了解」
人間形態のヒノエと自室で洗濯物を部屋干し。
制服などの衣類を火の魔力を込めた手を使い、燃やさないように伸ばす。
何気に魔力コントロールの鍛錬だよなこれ。
「生活の中で鍛えられることがあるピヨ」
「そうだな、雑巾がけとか」
大昔の映画で、掃除が技の鍛錬なアクションものがあったな。
先日は、郵便局を襲った怪人を倒し金を取り戻した事で感謝状を貰った。
休みが潰れたのは残念だったが、良い事したのは間違いない。
「雨は何か気が滅入るな」
「こういう時こそ、警戒するピヨ」
「だな、オフだけど基地に行くか」
出かける支度をして家を出ると、目の前に蛇の頭を持つ金色の列車が止まる。
ゴールドの担当マシン、テンセイリンダだ。
列車のドアが開いたので乗り込む。
「お迎えに上がりました、どうでしょうか私の人の姿は?」
「お綺麗です、リンダさん」
「お出迎え、ありがとうございますピヨ」
長い金髪に白い肌に赤い瞳、美人さんではある。
服装は金色の車掌服姿だ。
「えっと、皆はもしかしてこっちに?」
「はい、食堂車にお集まりです♪」
「面白そうピヨ♪」
俺達はリンダさんに案内されて進み食堂車へと入る。
「うん、ビーストも人間化すると何か個性的だな」
四人掛けテーブル席が並ぶシンプルな造りの食堂車の中。
仲間達と相棒のビーストが人間化した姿で集っていた。
「ブヒヒ~~ン♪ 灯希様がいらっしゃいました~♪」
「何かフレンドリーだなスイレンさん?」
「スイレンは、良い子なんだが良く食べるんだ」
ブルーである清丸と同席しているのは、青い髪に青い馬の耳を生やした美少女。
目が大きいとか鼻立ちが目立つのは馬の要素だろう。
清丸は青いシャツに黒のボトム。
スイレンさんは、上下青いジャージ姿だった。
「ひ、ヒノエちゃんが美少女! どうしよう、コハク!」
「落ち着け、お嬢の方が愛らしいぞ?」
黄色いワンピース姿の黄河さんと同席してるのは男性。
テンセイタイガーこと、コハクさんか。
黄色と黒の虎縞の功夫着を着た、ガタイの良い丸刈り頭の老人男性。
いや、西洋乙女ゲー世界出身だよな?
「赤羽君、またフラグ立ててない?」
「楓、あの人はそう言う人だから」
俺に対して辛辣なのは白と緑のスタジャン姿の緑山さんと。
そして、緑の髪に兎の耳を生やして緑のドレスを着たゴスロリ少女。
多分、ヒスイさんだろう。
外見年齢的にはちゃん呼びだが、そう呼ぶのは憚れれた。
彼女達の前世の業か、火属性の俺は嫌われてる気がする。
「せんぱいが最後っすね。 ゴンパチ、あいさつするっす」
「おっすレッドの兄貴、ゴンパチでござんす!」
いや、きびちゃんと相方のゴンパチちゃんは何でピンクのジャージ姿?
ジャージ着た舎弟口調の茶髪の犬耳娘が仁義を切って来た。
「皆のビースト、人化したら個性溢れすぎだな?」
「私達、地味ピヨね?」
俺は赤いパーカーにブルージーンズにスニーカー。
ヒノエは、赤い着物に白い割烹着とお手伝いさんルック。
「いや、そっちも個性出ておるわい」
コハクさんにツッコまれた。
「永遠さんは、何処?」
ツッコミは受けつつ、ブラックの永遠さんを探すがいない。
「永遠様は、月面の第二基地でお待ちです♪」
「え、月に俺達の基地を作ってたの?」
リンダさんからの説明に驚く。
『ああ、その通りだ。 彼女に事後承諾をさせれたよ』
食堂車の天井からモニターがせり出し、操縦室にいる博士が語りだす。
マジか、金持ちは凄いな。
「永遠様より皆様をご招待したいとの事で、お迎えに上がった次第です」
リンダさんが告げる、まあ身内のお招きを断るのも悪いよな。
会社の株を十パーセント持ってる株主でもあるし。
経済戦ができる元魔王は敵に回すと怖い。
「今回は空を飛んでるのかな?」
前に月へと出かけた時は、耐圧の為に変身して乗ってたけど。
「ご安心下さい、今回は異次元空間経由で移動しております♪」
リンダさんが笑顔で教えてくれた、良い人なんだろうがおっかない。
鳥と蛇は、神話上の相性が良くないんだよな。
やがてテンセイリンダは停車し俺達はホームに降りる。
ロボットアニメの白い隔壁のカタパルトと地下鉄のホームを混ぜた場所だ。
「皆様~~♪ ようこそ、テンセイジャーの第二基地ムーンステーションへ♪」
永遠さんが出迎えてくれたが、彼女は普段の黒い着物ではなく白いツナギだった。
「永遠君の行動力は想定以上だったよ」
「いえいえ、博士達にも五経y六いただいたお陰です♪」
降参だというそぶりの博士と笑顔の永遠さん。
「駅みたいだね、永遠ちゃん?」
「ええ、この出入り口はそのように設計いたしました♪」
黄河さんの言葉にあっさりと答えて俺達を別室へと案内する。
「テンセイパーラ、あの黒い亀のロボットの中なのかな?」
「いえいえ、ここはパーラを整備するドッグがある地下基地ですの♪」
清丸の質問にも歩きながら答える、通路にある部屋は俺達が使える個室らしい。
巨大な亀の甲羅型のテーブルが中央に置かれた部屋、ここが会議室だ。
「テンセイベースと似てるっすね?」
「まあ、私も開発に協力したからね」
「博士、手広く仕事し過ぎっす!」
きびちゃんと博士が語り合う。
人間化したビーストの皆も、笑顔を浮かべる様から気に入ったようだ。
「おお~~♪ トレーニングルームがあるようですよ♪」
「スイレン、勝手に操作したら駄目だろ!」
スイレンさんがテーブルに設置されたパネルを操作し、ホログラフを出して喜ぶ。
清丸は振り回されているようだ。
「はい、模擬戦もできるトレーニング施設や食堂に病院と取り揃えております♪」
「永遠さん、あんたやっぱり領主って生き方の人だな」
縄張りを手に入れたら、てきぱきと拠点を構築してるよ。
味方だから頼もしいけれどおっかねえ。
「ムーンステーションのオーナーとしても、皆様にご協力いたしますわ♪」
「永遠先輩、自分の一家を立ち上げたって事っすね!」
「何せよ、宜しくね永遠さん♪」
きびちゃんが驚き、緑山さんは受け入れてい挨拶。
「まあ、戦力が増強されるのはありがたいぜ」
「拠点はいくつあっても良いピヨ♪」
俺とヒノエは喜んで世話になる事にした。
「私も、ラボと工場をプレゼントしてもらった以上喜んで提携させてもらうよ♪」
「ええ、宜しくお願いいたしますねスピリタス博士♪」
博士と永遠さんが手を握る。
経営者同士の握手だ。
正直、ややこしいが自前でメカの整備とか開発ができるのは便利だ。
「皆~~♪ お茶とケーキを用意したよ~♪」
ドアが開き、黒いおかっぱ頭で執事服を着た美少年がワゴンを運んで来る。
「えっと、パーラなのか?」
「そうだよ~~♪ 僕も人間の姿になれたからお手伝いしてるんだ~♪」
性根の招待は亀ロボットのパーラの中身であった。
紅茶とパンケーキで一服しつつ、仲間達のビーストの人間体全員と顔合わせした。
「そう言うわけで、拠点を使い分けて活動して行こうと言うわけだ」
ケーキを食べ終えて博士がまとめた。
「では、この後はさらに施設内をご案内させていただきますわ♪」
「「お~~~♪」」
永遠さんの号令に応じた俺達は、第二基地の見物にむかうのであった。
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