第五章:追加のロボは亀と蛇編

第26話:コラボで稼げ、開発資金!

 桜も葉になり初夏となる。

 ブラックとゴールドを加え、七人戦隊となったテンセイジャー。

 人が増えればできる事も増える。

 そして、活動に必要な資金も増えるのだ。


 都心の外れ、王道町にある俺達の基地テンセイベース。


 「増員分のロボや装備の開発資金を捻出するべく、仕事を受けよう♪」


 宇宙船のような白い壁の部屋。

 俺達に笑顔で語り呆気るのは一人の男。

 白衣を着た学者風の服装をした、金髪オールバックの白人イケメン男性。

 彼の名は、ドクター・スピリタス。


 俺達テンセイジャーの、ゴールドにして司令官。

 戦隊の運営母体、株式会社スピリタステックの社長でもある。

 俺達にとっては、公私に渡り面倒を見てくれる恩人でもある。

 彼の言葉に否と言う者はいなかった。


 「うっす、それで俺達はどんな仕事をすればいいんですか?」


 いつぞやのように、ロボで工事とかだろうか?

 わりと、巨大ヒーローや巨大ロボでの建設作業はメジャーだよな。


 「うむ、赤羽君にはコラボ企画に参加してもらいたい」

 「コラボですか? わかました、どことコラボするんでしょう?」

 「うむ、ゴロゴロカレーさんとのコラボ企画だ」

 「カレー? イエローじゃなくて?」

 「君がゴロゴロカレーの会員だと、先方が知ったようでな」

 「あ、そう言えばゴロゴロカレー食ってる時に呼び出された事があったかも?」


 迂闊、身バレしてたとは!


 「せんぱい、脇が甘いっすよ?」

 「またお前か?」

 「取り締まられ案件かあ」


 ピンクとブルーとグリーンの視線が冷たい。


 「赤羽君もゴロゴロカレー好きなんだ、運命かも♪」


 黄河さんはイエローらしくカレー好きだった。


 「ゴロゴロカレー、株を買っておいた方がよさそうですわね?」


 ブラックは不穏な事を言うなよ。


 「あれ、灯希以外には来てないんですか?」

 「赤羽君だけじゃなく、私達それぞれにも来てそうだよね?」


 清丸と緑山さんが博士に尋ねる。


 「うむ、君達にもそれぞれオファーが来ているぞ♪」


 博士が虚空にホロスクリーンを複数展開して見せた。


 「何すか? 冒険者ギルドの依頼みたいっすね?」

 「ええ、博士が冒険者ギルドの受付の方みたいですわ」


 きびちゃんと永遠さんがそれぞれのホロスクリーンを見て呟く。

 確かに、依頼書が沢山ある感じは冒険者ギルドを思い出した。


 「うむ、私の前世の世界にも冒険者ギルドはあったしな影響は受けている」


 博士が俺が行くカレーコラボの依頼書のスクリーンに受領済みのスタンプを押す。


 「は~い♪ じゃあ私はこの、わんこそば大会に参加します♪」


 黄河さんは、フードファイト系の依頼に飛びついた。


 「じゃあ私も、ヒーロー女子サッカーの助っ人依頼を受けさせて下さい♪」


 緑山さん設ける依頼を決めた。


 「では僕は、ヒーロー陸上大会の出場依頼でお願いします」


 清丸も依頼を決める。


 「自分もこの、ドッグヒーローランって依頼を受けるっす!」


 きびちゃんも闘志を燃やして依頼を受けた。


 「私も、こちらの伊賀で開催される手裏剣競技大会へ出場させていただきますわ」


 永遠さんも依頼を受ける。

 かくして、俺達はメンバーがそれぞれ分散してのミッションに挑む事となった。

 ソシャゲの資金回収クエストみたいだが、乗り切ってやるぜ。


 翌日、俺が訪れたのは赤い猛牛がマスコットのカレー店。

 

 その名も『ゴロゴロカレー』さんの本社ビルだ。

 一階はイベントスペースもある店舗、今回の仕事場だ。

 会社としての受付のある入り口に向かい、ヒーロー免許と依頼書の控えを見せる。


 「お待ちしておりました、三階の控室にご案内させていただきます♪」

 「はい、ありがとうございます」


 受付のお姉さんに従い、出演者控室へと向かう。


 「失礼しま~す?」

 「よう、少年♪」

 「おお、君がテンセイジャーのレッド君かい♪」


 ドアを開けると鏡のある楽屋と言う感じの部屋。


 中にいたのは二人の人物、どちらも男性。

 一人は、上下黒レザーに黒いサングラスのお兄さん、黒のモヒカンとパンクだ。


 「どうも、運動会ぶりですヤキトリンさん」

 「ハッハッハ、で当てられちまったな♪ 炭鳥千金たんどり・ちがねだ、宜しく♪」

 「どうもっす、パンクですね」

 「突いて行くぜ~♪」


 うん、ノリが軽い。


 「初めまして~~♪ 僕はジャ~~~ック~♪」

 「おっす、ミュージカルですね?」

 「変身後はもっとカラフルさ~~♪」


 もう一人のお兄さん、ジャックさんは上下青のタキシード。

 髪も真っ青で長い、顔が煩い美形で美声。


 「えっと、もしかして孔雀ですか? ジャックさんって?」

 「そうなんだよ、こいつは孔雀モチ―フのピーコックだうるさいだろ?」

 「おいおい何言う、ウコッケイ~~?」

 「誰がチキンだこら!」

 「君だよ白黒君? 後輩にマイナスイメージを与えないでくれ」


 千金さんとジャックさんが睨み合う、何だこの組み合わせ。


 「俺ら、鳥さんチームって枠ですか?」

 「おうよ、俺達三人鳥さんチームで優勝をかっさらうぜ♪」

 「カレーの大食い大会だよ~~♪」


 大体わかった、俺はこの先輩二人と組んで勝てと。


 「ちなみにライバルはゴロゴロカレー所属のレッドビーフ」

 「そして、僕達と同じゲストの猟友会所属のジビエーズだよ~♪」

 「いや、鳥と牛とジビエって肉っすね!」


 いや、凄い平和な行事だな。

 楽屋でチームアップしたメンバーに挨拶をした俺達は変身して一階店舗へ。

 自分達の席に座り、視界のお姉さんの話を聞く。


 「只今より、ゴロゴロカレープレゼンツヒーローフードファイトを開催します♪」


 調理服姿のお姉さんの言葉に拍手が巻き起こる。

 各チームが名前を呼ばれ、ポーズを取る。


 「ベアブラックだ、肉食で行くぜ♪」


 ジビエーズの代表、黒い熊モチーフの装甲の女性戦士が語る。


 「レッドビーフです、美味しく食べていただきたいです」


 ホスト側の赤い牛の鎧武者風ヒーローもスピーチ。


 「テンセイレッドです、レッドだけどカレー好きです残さず食べます♪」


 最後に俺が名乗ると拍手が起こる。

 ノーモア、フードロスとか掛け声も起こる。


 「ありがとうございます♪ それでは皆様、熱く美味しいバトルの開始です♪」


 司会のお姉さんが締めくくり、いざ勝負と言う所で異変が起きた。


 「おい、店の外に戦闘員と怪人が出たぞ!」

 「マジかよ、でもここにはヒーローがいる♪」


 お客さんがざわめき出す。


 「選手の皆様、腹ごしらえで宜しくお願いします♪」

 「「任せろ!」」


 お姉さんの言葉に俺達は立ち上がり、店の外へと飛び出る。


 「畜生! ヒーロー共が沸いて来やがった!」


 俺達が出てきて悔しがるのは、紅茶色のアンコウ怪人。

 あんこ型の力士みたいな造形、タタキアンではなさそうだ。


 「おいおい、シーフドカレーはお呼びじゃないぜ♪」


 ヤキトリンさんがジョークを言い出す。


 「お引きトリをお願いしま~~~~す♪」

 「いや、誰がうまい事を!」

 「的確なツッコミ~~♪」


 普段はボケの俺が青い装甲の先輩、ピーコックさんにツッコむ。


 「デプスの魚怪人共、私達は肉の気分なんだよ!」


 ブラックベアさん達が突撃し、戦闘員の一部を倒す。


 「良し、少年は怪人に行きなさい♪」

 「後輩の育成~~♪」

 「私も戦闘員を倒そう」


 ヤキトリンさんとピーコックさん、レッドビーフさんも戦闘員へと向かう。


 「よし、任されたからには全力で行くぜ! フェニクスカリバー!」

 「かかって来い、ソップのガラめ!」

 「お前のあん肝は廃棄処分だ!」


 俺はアンコウ怪人と対決。

 ぶつかり合えば、ヒレの付いた前腕と俺の剣がぶつかり合い火花が散る。

 押し合いで感じたが敵の腕力は強め、そして重たい。


 「腕力には火力だ、ファイヤー!」

 「うぎゃあ!」


 剣から炎を出して怪人を炙れば、相手は飛び退く。


 「カロリーと魂燃やすぜ、レッドミーティア!」


 俺は全身ぁから炎を燃え上がらせ、燃える流星となって突っ込む。

 真っ向から怪人とぶつかり、突きぬけてから残心を取る。


 「ふう、これにて一件落着っと♪」


 怪人を倒したのを確認する。

 他の先輩ヒーロー達も戦闘員を倒し終えていた。


 「さて、運動もしたしイベントの続きと行こうか少年♪」

 「勝つのは僕達さ~~♪」


 ヤキトリンさんとピーコックさんに労われて会場へと戻る。

 食膳の運動で腹も減らしたし、行ける気がする♪

 俺は意気軒昂で、中断されたカレーの大食い大会に挑むのであった。

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