第14話:ビーストロボ始動!

 無事にロボの免許を取得で来た俺達。


 「素顔と変身後の両方の写真使うんだよな、この免許」

 「身分証とはいえ、ホイホイ見せるのは躊躇われるな?」


 俺と清丸が互いの免許を見比べる。


 「身バレすると、めんどうっすよね」

 「特定されて家に来られるとか、怖いよね?」

 「昭和の頃とか、ファンが家に押しかけるってあったらしいよ?」


 女子三人の会話に寒気を感じる。

 そう言えば、悪の組織ヒーローアジト年賀状事件って歴史の授業で習ったな。


 学校帰り、テンセイベースに集まる俺達。

 雑談しつつ、自分達のロボ免許とヒーロー免許を見る。

 どっちも表には変身後の写真、裏には素顔と本名が記載。

 ガチで無くしたらヤバい。


 「諸君、おめでとう♪ これは合格祝いだ」


 博士が基地内に現れ、俺達全員に賞与の封筒が配られる。

 ありがたく、スマホ代とかに使わせていただきます。


 「どっかで試運転したいっすね、ビーストロボ♪」

 『姐さん、散歩っすか♪』

 「……などとうちの犬が申してるっす」


 基地に置いていたハウンドにせがまれるきびちゃん。


 『ブヒヒ~~ン♪ 清丸様、ケル目にお乗り下さいませ♪』

 「いや、家の愛馬が怖いんだが?」


 清丸も玩具の体に入ったケルピーにじゃれつかれる。


 『実、戦いたいんじゃが?』

 「はいはいお爺ちゃん、この間戦ったでしょ♪」

 『暴れたりないんじゃ!』


 黄河さんもサンダータイガーに振り回されてる。


 『楓、遊ぼう♪ サッカーしたい♪』

 「うん、サッカーは良いよね♪」


 緑山さんは、仲良くやってる。


 「ヒノエは何かあるか?」

 『特にないピヨ? 普段から灯希と一緒にいれば退屈はしないピヨ♪』

 「すまねえなあ、落ち着きがなくて」

 『前世の頃からわかってるピヨ♪』


 ヒノエには世話を焼かれてばかりだ。

 そう言えば、俺のビーストロボは何で動いてるんだ?


 「ヒノエ、所で中身のお前が出てるのに何でロボは自立稼働してるの?」

 『ピヨ、私が遠隔操作してるピヨ♪』

 「いや、お前自由だな!」


 ヒノエ、デカいヒヨコみたいな見た目だが結構凄い火の鳥では?


 「そうだな、巨大戦用の訓練場所は早急に手配しよう」


 博士が何かを考えながら頷く。

 もしや、またこの人独自の錬金術がうなるのか?

 俺、思えばこの人やヒノエや前世の自分含む皆のお陰で戦わせて貰てるんだよな。


 「どうした灯希、考え事か?」

 「とも先輩、考え過ぎるとロクな事はないっすよ?」

 「いや、改めて俺ってこうノリと勢いと運と根性だけだなってさ?」


 清丸ときびちゃんに聞かれたので答える。


 「それが赤羽君らしさだと思うよ♪」

 「同じ中学の身としては、今更かな?」


 黄河さんは優しいが緑山さんはひどい!


 「そうだ、それがあるから今俺達はここにいるんだ♪」

 「ノリも勢いも根性も大事っすよ♪」


 清丸ときびちゃんも、何だかなあ?


 「赤羽君、卑下するな。 君も、私の作ったテンセイブレスが選んだ人間だ♪」


 博士が肩を叩いて微笑む。


 『灯希、前世もそんな感じで悩んでたピヨ? 前世も今も灯希らしく行くピヨ♪』

 

 ヒノエにまで何か変な慰められ方をしてしまった。


 「わ~ったよ、皆に感謝して世話になって頑張るよ!」


 そうだ、馬鹿だけど馬鹿なりに皆に感謝して頑張るしかねえ。

 遠慮なく皆の力を借りるし、借りを返せるように手伝うぜ。

 改めて、根性馬鹿なりに世話になりつつ進んで行こうと思う。

 俺の力は、仲間の力を借りながら根性で頑張る事だ。


 『灯希、頑張るピヨ♪』

 「いや、先輩! 気張るなら戦いで、基地内は火気厳禁っす!」

 「あ、悪い!」


 俺は気を散らして出てた炎を消す。

 気を付けないと、周囲に火災を起こしかねない。


 「赤羽君、滝に打たれるとかした方が良いんじゃない?」

 「緑山さんの言う通りだと思った、近い内にどっか打たれてくる」


 マジで滝に打たれて体を冷やすとかしておこう。


 翌日、自室で目覚めて今日も学校とヒーロー活動だと起き上がる。


 『あ~~~、何か光るもんとかエサないかな~?』

 『チュンチュン、今日は何処でごはん食べる♪』


 窓の外から烏や雀の会話が聞こえる。

 鳥の鳴き声が人語に翻訳されるし、こっちの言葉も鳥に伝わる。

 いや、喧しい力だなこれ。

 鳥の世間話とか、偶に事件に繋がる情報が出てくるので馬鹿にできない。

 面倒くさいけど、ミュートできない。


 黄河さんは猫科動物、清丸は馬、きびちゃんは犬、緑山さんは兎と話せるらしい。

 清丸の力は競馬に使えそうだと思った、俺達ギャンブル禁止だけど。


 『灯希はギャンブルは駄目ピヨ?』

 「痛って、わかってるよ元手がないし戦いより燃えないし」

 『いや、戦いでも博打は駄目ピヨ!』


 ヒノエに手羽で叩かれる、良いツッコミだ。

 相棒との漫才を終えたら着替えて一蟹の食卓へ。


 「おはよう、母さん、祖父ちゃんと祖母ちゃんも♪」


 家族に挨拶する、父さんはもう仕事に出かけていた。


 「おう、灯希♪ 今日も気張れよ♪」

 「おはよう、灯希ちゃん♪」

 「灯希、ご飯できてるからしっかり食べなさい♪」


 ヒノエのやらかしで若返った家族たちと朝食。


 「灯希、飯はお替りしとけ♪ ヒノエちゃんの分まで♪」

 「朝ごはんはしっかり食べなさい♪」

 「いや、家って健啖家の家系だったっけ?」


 家族が元気なのはありがたいが、元気が良すぎるのもなんだな。

 家族との団欒を終えて家を出る。


 「げ、空に穴が開いた!」


 空に黒い穴が開き、巨大なリーゼント頭のヤンキー型ロボが地上に降り立つ。。

 目撃した以上、放置はできない。


 「テンセイチェンジ!」

 『ピヨ、ロボになるピヨ!』


 変身し、テンセイシューターの銃口にヒノエのビーストロボをセット。

 全力全開でハンドルを回してエネルギーを注ぎ、引き金を引く。

 放たれたビーストロボが巨大化し、俺を吸い込む。


 「うお、これがビーストロボの中か?」


 気が付いたらパイロットシートに座り、左右の手は操縦レバーを握っていた。


 「フルスロットルで突っ込むぜ!」


 ポップアップするスクリーンを見つつレバー操作。

 火の鳥型の飛行液体でリーゼントロボに体当たりだ!

 市街地で巨大戦とは世間の迷惑だがやるしかねえ。


 『グワ~~~! ど、どっから来やがった!』

 「教えねえ! ビーストロボ、ヒューマンシフト!」


 倒れなかったリーゼントロボ、悔しいが建物に被害が出なかったのは良かった。

 鳥型から人型ロボへ変形させる。

 ビルの谷間をリングに巨人達の決闘が始まる。


 『畜生、その声はテンセイレッドだなあ?』


 リーゼントロボが叫ぶ、この声はシバッキーか?


 「性懲りもなく甦ったか、今度もぶっ飛ばす!」

 『この野郎、クローン蘇生してキャリア積み直しさせられた怨み!』


 モニター越しに敵のリーゼントロボが両手にメリケンサックを装備。


 「こっちも、ビーストロボフェニックスで勝負だ!」


 火の鳥が変形した真紅の巨大ロボ、ビーストロボフェニックスで迎え撃つ。


 『喰らいやがれ、リーゼントビーム!』


 メリケンサック装備したからパンチ攻撃が来ると思った。

 だが、敵ロボは頭部のリーゼントからビームをぶっ放す。

 街への被害防止の為にも避けられねえ!


 『大丈夫ピヨ、ビームも吸収できるピヨ♪』

 「マジか、なら受けて立つぜ!」


 敵のビームを浴びる、衝撃は来たが平気だ。


 『馬鹿な! ビームが効かねえだとおっ!』

 「ビーム何て頼らずに殴れば良かったんだよ!」

 『チキショー!』


 リーゼントロボが今度は殴りかかって来た。


 「あらよっと♪ と、チキンウィングフェイスロック!」


 敵のパンチを避けて腕を取り、関節技をかける。


 『くぞ、この鳥野郎! 離しやがれ!』

 「断る、関節極めつつ蒸し焼きだ!」


 敵に関節技を極めつつ自分の機体を赤熱化させる。


 『チキショウ、脱出だ! あばよっ!』

 「あ、しまった!」


 リーゼントの砲塔から再生シバッキー飛び出し、上空の次元のゲートへと逃げる。

 そして、敵のロボットは頭部が爆散して機能が停止したのであった。

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