第三章:巨大戦開幕、テンセイオー登場編
第13話:免許を取ろう
海岸を舞台にした戦いは大盛況だった。
「諸君、先日の戦いはご苦労だった♪」
テンセイベースにて博士から労いの言葉を貰う。
まさか、ヒーローショーのゲストに出かけて実際に戦うとは思わなかった。
「戦闘中に空腹を催すとは、恥ずかしいです」
清丸が反省する。
「いや、あれは反則っすよ! 何すか、食えそうな怪人って!」
きびちゃんがキレる。
すまん、シャケ怪人が美味そうな臭いを出したのは俺にも原因はある。
「あんな大きなシャケ丸ごと一匹、食べたら美味しそう♪」
「黄河さん、打ち上げでお刺身とか海鮮丼とか散々食べたでしょ?」
「後マグロ五本は食べられたよ♪」
あっけらかんと告げる黄河さんに、緑山さんが呆れながらツッコむ。
戦いの後の打ち上げでの黄河さんの食いっぷりは暴虎の如しだった。
「黄河せんぱい、船盛が小皿感覚だったっすよね?」
「気前よく食べさせてくれたネイビーさんに感謝だよ」
きびちゃんと清丸が、打ち上げの時を思い出すしながら呟く。
うん、黄河さんはフードファイターでも食て行けそうだった。
「いや、他のヒーローさんと戦えて勉強になりました」
俺は博士に正直に感想を述べる。
打ち上げも楽しかったが、自分達は一人じゃないってのが実感できた。
何と言うか戦いの中で孤独感って、バッドステータスだよな。
まあ、最後に同時に止め刺す程度しか連携とかできてなかったけど。
「ああ、我々は孤独ではないのだよ♪」
博士が微笑む。
そうだよな孤独じゃないってのが良いよな。
何と言うか俺達、前世で仲間とか大事な人とかころされてたし。
「で、今日は俺達に話って何ですか?」
俺は博士に尋ねてみる。
博士の人柄から考えると、悪い事じゃなさそうだ。
「ああ、あの戦いの配信を見た企業からスポンサーの申し入れが増えたんだ♪」
「おお、いよいよロボが作れるっすね♪」
「でも、スポンサーに配慮した戦いとかしないと駄目ですよね?」
博士の言葉に喜ぶきびちゃんと不安になる清丸。
スポンサーが付くと、お金になるけど代価を払わないとな。
変な事したくないし、されたくない。
「悪い会社だったら、嫌だよね?」
「うん、スポンサー権限だとかで犯罪被害には会いたくないよね」
スポンサーに不安になる黄河さんと緑山さん。
「無論だ、スポンサーであろうと諸君を蹂躙させはしない」
博士が拳を握る、この人はマジで信じられる人だ。
「私自身、前世でも今世でも人間の汚い部分を見て来たからな」
博士が遠い目をした、同じ人生二週目でも俺達とは経験値が段違いだな。
「で、ロボ開発ができるだけじゃないんですよね?」
「うむ、赤羽君の察する通りロボに関する新アイテムの支給だ♪」
博士が嬉しそうに虚空から取り出したのは、五体の動物ロボの玩具?
「うお、赤い鳥のが俺の所に来た!」
「この青い馬は僕か?」
「私は虎って、ビーストと関係があるんですか?」
「自分もそう思ったっす!」
「うん、これもロボと関係あるのかな?」
それぞれの色の玩具が自分の所に来ると、体から何かが抜けた感じがした。
『ピヨ、これは僕達の依代ピヨ!」
「うお、玩具からヒノエの声が! どういうことだ?」
俺の赤い鳥の玩具からヒノエの声がした。
『ブヒヒ~~ン♪ ケルでございます清丸様~♪』
「ケルピー、おまえ雌だったのか?」
清丸が青い馬ロボの玩具の声に驚く。
『実よ、これで意思の疎通がしやすくなったであるな』
「サンダータイガー、何かお爺ちゃんっぽいね?」
黄河さんの虎の玩具は人型に変形して喋った。
『姐さん、宜しくですワン♪』
「おう、序列分かってるっすね♪」
犬ロボはきびちゃんい腹を向けていた。
『楓さん、この姿なら喋れます~♪』
「そうだね、カーバンクル♪」
緑山さんもビーストと触れ合えて喜んでいた。
「これ、もしかして人型になるってことは巨大化します?」
「うむ、桃田君に言われたように錬金術でパパッと作ってみた試作品だ」
いや、マジでパパッと作ったんですか試作品?
「え、試作品てことは正規品までの繋ぎっすか?」
「桃田君も鋭いな、それは学習コンピューターも兼ねていてデータ取りを頼む」
「学習コンピューター? 何か大体わかったっす」
きびちゃん、俺より感覚で生きてるな。
「テンセイオーに至る前の、ビーストロボと言う感じですかね?」
清丸がケルピーが入った青い馬の玩具を胸に抱きながら博士に尋ねる。
「その通りだ、巨大化はテンセイシューターの銃口にセットして撃てばいい」
博士が玩具ことビーストロボの巨大化方法の説明をしてくれる。
「あの? もしテンセイオーが出来たらこれは廃棄ですか?」
「安心したまえ、ビーストロボはテンセイオーの起動キーになる予定だ♪」
「え、結構重要なアイテムですね?」
黄河さんの質問に博士が笑顔で答えた。
新しいもんが出来たら捨てるってのも、気分が良いとは言い切れないよな。
「それに、下手に廃棄すると敵などに悪用されかねないのでな」
「コピー品作られたりすると不味いですよね」
博士の言葉に頷く。
「それあじゃあ、ロボ免許の試験頑張らないとね?」
「今からなら急げば五月の連休前に取れるっすよ!」
免許の話を緑山さんがすると、きびちゃんがスマホ検索で知らべる。
「よし、灯希達は学科の勉強の準備は良いか?」
「清丸、見てくれ!」
清丸の言葉に俺は勉強を見てくれるように頼む。
学力はまだまだ残念ジャーなんだ。
戦いと普段の学校の授業とで、免許の勉強とかできてない。
「そうか、免許の問題がまだだったな? では、最短で取得してもらおう」
博士がその場でスクリーンを操作し、オンラインで俺達全員分の申し込みをする。
興趣所の料金もネットバンクから支払ったと言われた。
「これは、実技は学校の方で猛勉強しないと!」
「ああ、待ったなしだな♪」
黄河さんは気合いを入れた。
俺も腹を決める。
「自分もやるっすよ!」
「私も頑張らないと、お金出してもらったんだし!」
きびちゃんと緑山さんもやる気を出した。
今日から学科試験と実技試験に向けて勉強だ。
明日から学校が終われば、指定されたロボット免許の教習所に通うぜ。
そして日曜の試験当日。
東京湾上の人工島にある試験場で実技と学科の試験だ。
学科はどうにかクリアできたので心に余裕を持って挑めるぜ。
二十メートルサイズの灰色の巨大ロボットの実機に乗り込む。
武装は外付けの剣と盾とライフル。
「左レバーが足と左腕。 右レバーが右腕の操作と、行くぜ!」
ロボを起動して、巨大戦闘員型の標的メカとの戦闘だ。
戦闘員ロボがライフルを構える、斜線上には防衛対象マークのビル。
「させるかよ、守って見せる!」
俺はロボに盾を構えさせて車線に割り込む。
放たれるペイント弾を盾で受ける。
「お返しだ、ライフル発射!」
狙いは外さない、ヘッドショット! 戦闘員ロボの頭部が緑ペンキで染まる。
一体倒せば、新手の戦闘員ロボが地面から出て来る。
今度は、棍棒を持った白兵型で此方とは距離があった。
「アクセル全開、ブレードアタックだ!」
両方のレバーを同時に前倒しでダッシュ。
そして、ターゲットに近づいたら右レバーを一回転。
剣がヒットし標的が止まると同時にサイレンが鳴り、試験は終了。
ロボを既定の位置に戻してから降りる。
数十分後、合否が試験場内の電光掲示板に表示される。
「おっし、合格だ♪」
「自分も番号あったっす♪」
「私も、受かってた♪」
俺の後に受けたきびちゃんと黄河さんも喜ぶ。
「僕も無事に合格だ♪」
「私も何とか、受かったよ~♪」
清丸と緑山さんも無事に合格、俺達はどうにかメンバー全員が免許持ちになれた。
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