盗賊
鈴木さんと荷物を護送していると、気づけば大勢のプレイヤーに取り囲まれていた。
「お前たちは包囲されている。命が惜しくばここに荷物を置いていきな!」
少し離れた場所から豪華な装備をつけた男が声を上げた。人数は百人ほどだろうか盗賊のような遊び方をしているプレイヤーだろうが、よく統率がとれている。
俺と兵士で突っ切ることもできるだろうが馬車が追いつかれてしまうかもしれない。そんなことを考えていると馬車から鈴木さんが降りてきた。
「やったね!剣崎くん。カモがネギ背負って来てくれた。こいつら全員倒して装備奪うぞ。」
鈴木さんは馬車に乗せていた武器を兵士に持たせながらそう言った。
「じゃあ皆配置に着いて〜。こっちは大丈夫だから剣崎くんはそっち側をお願いね〜」
武器のことは気になるが今は目の前の敵に集中しなくては。
「歩兵は隙間をつくらぬよう槍を構え敵を馬車に近づけるな!騎馬は俺に続け!」
このゲームを始めてまだ1ヶ月と少しだか、そのほとんどの時間を馬の練習に費やしたが未だに馬には慣れない。特に戦闘では手網を片手で握り槍を構えなくてはならない。
「騎馬が来るぞ全員槍を構えろー!」
そんな俺でも慣れない馬に乗り槍を使うメリットは大きい。
「やっぱり無理だ!「バカ!逃げるな!うぐっ……!」」
戦国時代の馬は小さく。競走馬としてよく知られているサラブレッドではなく現代ではポニー(百四十七cm以下)と呼ばれている馬に乗られていた。速く力強く賢いポニーは戦国時代において充分な活躍をしていた。
目の前の敵が逃げたが。想像して見て欲しいポニーとはいえ人が乗れば二メートルを超える。それが槍を持って大群で襲ってくるのだ。逃げるなという方が難しい。
騎馬隊を指揮しながら槍を敵へ叩くように振り回していると、あっという間に静かになっていた。ふと我に返り馬車を見ると馬車の周りには無傷の鈴木さんと兵士の姿と敵の武器や鎧が残されていた。
「お疲れ様!いや〜流石は九条さんが迎えに行かせるわけだ途中から見てたけどいい腕してるね!」
「ありがとうございます!ところでなんですが……その武器ってなんなんですか?弓ですか?」
兵士の持っている武器を指差し聞いてみた。
「あ〜これはね連弩って言ってね!あの有名な諸葛孔明が作ったとされている武器で矢を連続して撃てるんだ!ほら!」
そう言って楽しそうな顔で連弩を使うところを見せてくれた。
「まぁどうしても距離や威力とかが和弓のが上だけど練習なしでも使えるって考えるといい武器だよね!とりあえず!早く敵さんの置き土産拾って帰ろっか!タダでこんなに手に入るなんてラッキーだな〜!」
馬車に乗らない武器や防具は俺や兵士が持ち、俺達は再び九条城へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます