第19話やっちまった…?

「……んんっ………んあっ!?」


 ぼんやりする。それが最初に思い浮かんだ。


「…また…知らない天井だな…」


 ええと…俺はどうしたんだっけっ…?




「…確か…東海林先輩と…」

 


 そうだ。確か…東海林先輩の家にやってきて…それから…東海林先輩と話して…



「…いつの間にか…眠ってしまった…?」



 やべぇな…。話しながら女性の家で眠ってしまうなんて…



 とりあえず起きて…


「…はっ?」



 上半身を起こしてみると同時に視界に入ってきたのはまず自分の体と寝かされていた場所。寝かされていた場所がベッドなのはまだいいとしよう。驚いたのは何も身につけてないから…。マッパなんだよ…俺…。なんで!?


 だから──慌てて周りを確認して…


「…えっ…!?えっ!?マジ…で…?」


 俺はもう一度驚いた。ベッドに裸で眠っていのは俺だけではなかったのだから…。



「…東海林…先輩…?」


 俺に背を向けて何も羽織らず、布団等の掛けるものも何も掛けていない。ベッドに生まれたままの姿で眠っている紅髪の女性は間違いなく東海林先輩だ…。


「俺…もしかして…東海林先輩と…やっちまった…?」


 尚も状況確認の為にキョロキョロしていると、布団に赤い染みがついてるのが目についた…。


「こここここここ、これって…あれか!?は、破瓜の跡って奴か…?しかもそれだけじゃなくて…し、白いのは…まさか俺の…?」


 待て待て待て…落ち着け俺っ!まだ…まだ…そうと決まった訳じゃない…。東海林先輩の下半身に視線を向けて見る…。


 ごくっ…


 可愛いくて染み一つない綺麗なお尻だ…。


 

 ば、馬鹿!そうじゃない!お前も反応するんじゃない!?


 ──ってお前も何か色々とついてるしぃぃ!?



 いや、今は俺の分身よりも…


 この時点で答えは出ているようなもんだが…




 くっ…ま、まだだ…まだ…間違いかも…

 


「──うあっ…」


 東海林先輩の露わになっている太ももからは垂れるような赤と白の液体がくっきりと流れ落ちて残っているのが見てとれる。どこからそれが出ているのかは一目瞭然…。


「ひ、避妊もしてないよな…これ…」


 俺の初体験は記憶に残っていないうえにとんでもない事をしてしまってるぅぅぅぅう!?



「…ぅぅ……豊君…?」


 目を覚ますと同時にくるりと体を回転させ、こちらを見るのは東海林先輩。


「あ、あの…」


 こういう時って…何を言えばいいんだ…?言葉が出てこない。何故かそれに豊君って親しく名前を呼んでくるし…。


 いや…こうなってるからそれが普通なのか?俺は寝ている間に何したんだ…?


「あんな事したのに…改めてこうして向かいあうと照れてしまうね?」


 あんな事っ!?それってセックスですよね!?間違いなくしてるよね俺達!?


「もしかして…覚えてない…?」


「ええと…」


「そう…だよね…ごめんね豊君?豊君はどこまで覚えてる?」    


「その…」


「じゃあ…わたくしと話しながら飲み物や食べ物を口にしたとこまでは覚えてる?」


「あ、はい…そこは…」


「わたくしのせいなんですけど…飲み物に母が飲用しているアルコールが混じってて…その…度数がしかも高くてですね…」


「ああ…」


 アルコールかぁ~。前世では酔った事なかったんだけどな…。今世はアルコールに弱いみたいだ…。


 飲まないようにしないと…。後、未成年の飲食は駄目だからな?俺との約束だぞ…?


「それで…その後…いい雰囲気になりまして…」


 いい雰囲気だと…!?くっ…どうして覚えていなんだ…やったのに記憶がないとは…


「あっ…それ…」


 それ…?それって何だ…?急にそれと言われても…。東海林先輩の視線を辿ると…


「うおっ!?こ、これはですね…せ、生理現象というか…東海林先輩が裸なのが刺激が強すぎるというか…」


 こんな時に反応している俺の俺…。


「もう一度…します?」





 そんな事言われたら…どうなるかは分かると思う…。


 俺は東海林先輩に覆いかぶさり…



 

「んっ…や、優しく…お願いします…」










 東海林先輩と体を重ねた。我慢できるわけないんだよな…。この状況で我慢できる奴がいるなら知りたいもんだ。





 それにしても…




 凄かった…。





 それしか思い浮かばない。




 東海林先輩の中は…凄くきつくて…




 何かを破るような感覚とともに、東海林先輩は痛がっていた…




 それが初めてみたいで余計に燃えてしまったわけだが…





 まあ、こうして俺は童貞を捨てたわけだ。




 こんな風になるとは思ってはいなかったけどな…。











 



「…うまくいきました♡」








♢♢♢


 と、いうわけで第一部は終わりとなります。



 















 

 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

女性比が少ない世界に転生した件 美鈴 @toyokun

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ