短短 -ショートショート集2-

わきの 未知

A面

俺は

 手を出して。指に触れたい。

 やさしく俺に顔を近づけて、「いい香り」と言ってくれ。


 君からの愛を受け取るたびに、俺は顔を赤らめてみせよう。既に誰よりも赤いけどな。


 俺の仲間も、みんないいヤツだ。

 のほほんとした奴、友達思いの奴。俺の後輩は夢見がちで、人気があるのに、お高く止まっている。

 でも、俺は硬派だよ。

 君は他ならぬ俺を選んでくれた。自分で言うのもなんだけど、王道の選択さ。


 俺は根がわりと頑固だ。どこかで君を傷つけるかもしれない。

 あと、腐りやすい。ずっと一緒にいられなかったら、ごめん。


 だが、俺は約束する。

 君が俺を捨てるその日まで、一生懸命に生きると。



 そう、俺は――。



 俺は、花屋に並ぶ一輪のバラ。

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