崩れ行く日常
いつものように朝ごはんを作り、時間が余ったらご近所さんへの好感度稼ぎに行き、いつもの特訓をしようと森へ向かうと、セバスチャンとアキ、キアがおりいつもの元気いっぱいのアカリがいなかった。だがアカリがいないことはしょっちゅうあり淑女教育などをしていて来られないのだとか。だが一応それでも慎一郎は聞いた。
「今日はアカリさんはいないんですか?
「は、はいいませんよ!」
セバスチャンが動揺質問に答えた。だが慎一郎は昔から人の嘘を見抜くのが得意だ。一所懸命仮面を被ったおかげだろう。だがセバスチャンは完璧な人間といわけでもなく頭や戦闘能力などはいいが、手先が不器用だったり嘘をつくのが下手など一応セバスチャンにも苦手なことはある。慎一郎はセバスチャンを問い詰めた。
「なぁ嘘ついてるよな?本当のこと言ってくれん?」
「いやぁ本当ですよぉ、テレン様」
「嘘やめい」
それを繰り返すうちにセバスチャンが先に崩れ本当のことを言った。
「テレン様に言うのは酷なのですが、アカリさんは隣の領のパキスン伯爵と婚約を組まれました」
「!?」
「それも伯爵様はアカリさんの見た目をかなり気に入っておられました。アカリお嬢様はまぁ当然のごとく嫌がってました。ですが伯爵と男爵、一方的に婚約破棄などもできません」
「なんだ、それクソおもんない」
そう駄々をこねる慎一郎だが決まってしまったものはしょうがないか、とは思わなかった慎一郎。婚約が発表されるのは3日後そして結婚ができる年齢は18歳、だから大体3年後である。
「そういや、パキスンのフルネームとか見た目ってどんな感じなの?」
「名前はドM・パキスンと言い、見た目は少し小太りなブスです」
(名前えぐいし、見た目の説明は雑だし酷いな...どんだけ怒ってんだ)
セバスチャンは怒に満ちた瞳で慎一郎にそう告げた。そしてセバスチャンが慎一郎にお願いしをした。
「失礼を承知でテレン様に言います。アカリお嬢様を攫ってくださいませんか?」
「攫うなんだ。助けるとかじゃなくて。まぁ元々そのつもりで聞いてたし、いいよ!」
「ありがとうございます」
そうセバスチャンは慎一郎に深々と頭を下げ感謝の念を述べた。アカリを攫うのは2年後の17歳になったときアカリがパキスン家の家に宿泊するときに攫う計画である。なぜアカリがドMの家に泊まりに行く日なのか、それはドMにアカリは慎一郎が攫ったと言う印象付けるためだそうだ。だが伯爵の家警備は頑丈で今の慎一郎1人では侵入もできない。なのでこの2年間で隠密の魔法や侵入するときの技術、戦闘ももちろん2年間でびっしり鍛えていくことになった。そしてセバスチャンが2年間の特訓スケジュールを慎一郎に言い渡す。
「マジですか?ガチガチにハードじゃないですか!アキやキアも疲れ果てますって!」
そう隣で頷く2人だが、
「いえ、二人はアカリお嬢様に恩があるでしょう?あとテレン様もアカリお嬢様が醜いブタに取られて悔しくないんですか?」
そう言われると3人はやる気が満ちあふれ、クソハードな特訓をこなすと心では決めたのだった。その三日後アカリとドMとの婚約が発表された。アカリの親はアカリにあまり興味がなく伯爵との結婚は自領の利益となるため率先してアカリとドMの婚約を進めた。だがそんなこともあったことも知らず慎一郎は、以前の特訓より激しい特訓を行なっていた。毎日筋肉痛で夜も眠れず、明日は剣、明後日は魔法、明々後日は侵入する技術それの繰り返しである。体もかなりがっしりしてきて細マッチョという感じになっていた。最初の頃は腕立て3回できるか怪しい慎一郎であったが、今になっては毎日腕立て50回を二セット腹筋100回を二セット、ランニング5kmを毎日できるようになっていた。だがセバスチャンはもっとこれ以上のことを求めておりその求める目標まで日々頑張る毎日であった。
(あぁ全身が痛い。動けん)
特訓を終え、いつものように家へ帰る。前世の自分と比べ今はどうだろうかと考える。以前の自分は頑張って頑張って結局崩れてしまい自宅警備員になってしまって無様にトラックに轢かれて死んだ。だが今は前世のようにはならず、トラウマも克服し世のため世界のために貢献ができ、ちゃんと大切なものができていた。だが何一つ変わらないのは自分自身の顔が弟なのが最高に嫌なのが生まれた瞬間から変わっていないのだ。だが努力をやめたクズ人間でもなんとやっていけてる。そう慎一郎は自分を褒め称え明日の地獄の特訓に向けてたくさん食べてたくさん寝た。
地獄の特訓を1年間続けかなり成長した慎一郎がそこにはいた。16歳になり前世では中学三年生高校一年生である。慎一郎の前世のこの年齢では勉強や遊びに勤しんでいる年齢だが慎一郎はアカリを助けたい一心で地獄の特訓を受けてきた。剣ではまだぜんセバスチャンに追いつけていない。戦っても戦っても一瞬で負ける。模擬戦の回数は少ないが合計したら0勝0引32敗という記録をしている。だが着実に成長はしている。魔法の方は隠密魔法がかなり成長し、アキとおんなじレベルまで到達していた。だが攻撃魔法などはまだまだ全然アキのほうがレベルが上である。キアとの治癒魔法の特訓はそこそこ進んでいた。擦り傷や打撲などは一瞬で回復できるようになり、骨折などは時間をかければ治せるといったらところまでは到達していた。足を繋ぎ止めるというのはまだまだ先の話である。そのすべてが備わっているセバスチャンはかなりすごい。アカリはといと全く慎一郎と会えておらず、ドMの気持ち悪い対応に追われていた。体をベタベタ触ってきてデリカシーというものがあるのか?と質問をしたくなるほどの気持ち悪い質問に答えたりもしていた。その様子をアカリの親はただ傍観しているだけで、自分たちの領地のことしか考えていなかった。アカリはドMの対応に淑女教育、好きな剣も持てない、そしてなんといってもも慎一郎に会えなかったのが一番苦しかったようだ。いつもいつも慎一郎に助けを求めては来ない、アカリは元気はつらつなアカリではなく落ち着いた雰囲気なアカリになり夜では自分を傷つけたり啜り泣くようになっていた。
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