ウソつきを裁く準備

笹椰かな

本文

 高校卒業を期に、私たちの関係はどんどん薄れていってしまった。

 今やメッセージアプリの返信は数日経たないと来なくなってしまったし、通話したくて電話をかけてもちっとも出てもらえない。


「またね、大好き」


 卒業式の日にそう言っていたのに。ウソだったの?


「何がっ……何が『またね』よ!! 『大好き』だよ!! ウソつき!! 大ウソつき!!」


 叫びながら、バンバンとお気に入りのクッションを叩く。悔しさで涙が出てきた。

 きっと浮気されているんだ。だから私のことを放ったらかしているんだ。そうじゃなかったら、電話に出られない理由くらい説明してくれるはずでしょ!?


「明日、直接会いに行ってやるからっ!!」


 そう叫びながら、去年の誕生日に彼女から贈られたハンドバッグの中に、カッターナイフとハサミを入れた。

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