ウソつきを裁く準備
笹椰かな
本文
高校卒業を期に、私たちの関係はどんどん薄れていってしまった。
今やメッセージアプリの返信は数日経たないと来なくなってしまったし、通話したくて電話をかけてもちっとも出てもらえない。
「またね、大好き」
卒業式の日にそう言っていたのに。ウソだったの?
「何がっ……何が『またね』よ!! 『大好き』だよ!! ウソつき!! 大ウソつき!!」
叫びながら、バンバンとお気に入りのクッションを叩く。悔しさで涙が出てきた。
きっと浮気されているんだ。だから私のことを放ったらかしているんだ。そうじゃなかったら、電話に出られない理由くらい説明してくれるはずでしょ!?
「明日、直接会いに行ってやるからっ!!」
そう叫びながら、去年の誕生日に彼女から贈られたハンドバッグの中に、カッターナイフとハサミを入れた。
ウソつきを裁く準備 笹椰かな @sasayakana456
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