Page.3 「謝罪、未来、そして願い。」

冒険4日目、ユニズ滞在2日目

マーク・タイカのいる部屋。


「あのくそ王子が眠ってる間に話を聞かせてくれないか?」

「わかったわ。あの、1回目の事件、町巡回の後のことからでいいかしら?」

「あぁ。それでいい。俺視点ではなく、あんた側の視点でどうだったのかを教えてくれ。」

「町巡回の後に、王家側は私以外の大人たちが話し合っていたわ。」


「私も後から伝えられていた部分があるからわからない部分も多いけど、あなたの両親は国王側の当時の側近にいた人物によって私を殺すように伝えられてたらしいの。」

「国王側?今のあんたの親か?」

「そうよ。作戦を実行したけど、ワンクスがあなたの父親の行動を怪しんであなたからリンゴを奪い取ったらしいのよ。そうしたら毒菱が入っていたの。」


「その後、処罰としてはあなたの両親は磔刑、八百屋は取り壊しとなったわ。」

「なぜ俺が出てってからなんだ?そして、子供とはいえ俺も対象ではあるはずだ。」

「それはね、ワンクスが土下座をしていたのを覚えているわ。だから、あなたの将来を考えて徴兵を行った。王都からは結構離れた形だったけどね。」

「ワンクスが?あいつがなぜ俺を守るんだ?」

「そうなの、あなたには未来があるから俺が鍛えるってね。そのあとはあなたが見た景色と一緒よ。王都に呼んだのはこの私がお願いしたの。」

「そうだったのか。あんたたちがあれだけ止めていた理由とかもなんとなく今になればわかる。あんな姿は見せたくなかっただろうな。」

「うん。・・・。でも、ごめんなさい。わたしが無知で無力だったからこそ・・・。」

「いや、あんたは悪くない。仕方がないだろう。」

「・・・。」


一方そのころ、広場では・・・。


「はぁ、はぁ、あともう少しだな。」

「あぁ、じゃあ最大火力を30秒後に一斉にしていこう。そこで、こいつらをなぎ倒していたら俺らの勝利だ。」

「そして、新しい未来の始まりだ。」

『いくぞ!!!!』


王座の間。決着つきそうになった時。


「望むところだ!剱の大炎舞!」

「白炎(フランマルバム)!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


「まったく、、、これを使うしかないか・・・。」

「なんだそれ?」

「これはな。自分の力を最大限以上にしてくれる丸薬だ。これを飲むつもりはなかったが使うしかないな。てめえを殺すためにな・・・!」


国王が丸薬を飲んで数秒後、国王は人とは言えない姿になりはじめた。


「どうだ?この姿に驚いたか?ケンカを売ったことを後悔しても無駄だぞ?」

「・・・。ふはは。驚いた。あんたの姿を子供が見ていたらあこがれていただろうかな。」

「ふ、どうでもいいさ。それよりもお前自身の心配をしたまえ・・・!」


マーク・タイカのいる部屋。


「ありがとう。話してくれて・・・。」

「いや、、、こんなことにならない限り動けないし、最終的には助けられるなんて。」

「それについてなんだが、俺はオレズノート・リヒンを信じてこの行動に出た。成功してもここには残らない。リヒンという男を支えることにした。そこで、お願いがある。」

「お願い?」

「あぁ、これが終わり国を立て直すのはお前だと思う。だからこそ、俺が帰ってきたときに帰りやすい国にしていてほしい。」

「私にできるかしら・・・。」

「最初からできていなくてもいい。ケルトやワンクスとともによくしてくれ。」

「・・・。うん。頑張ってみる・・・。」


「なにを、勝手に勝った気でいるんだ馬鹿野郎!?」

「危ない!エノ!」


振り返ると王子が先ほどの姿よりも大きく醜い姿が立ち上がっていた。

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