【完結】その聖女、悪魔と契約中につき〜落ちこぼれ聖女は召喚した悪魔と禁断の契りを交わしました〜

葉南子@アンソロ書籍発売中!

プロローグ

導かれた悪魔がその先で見るものとは

 ──突然だった。

 

「力を貸して……!」


 地上ではない闇の中。

 枯れ果てた木の上で眠り呆けていたところに、その声は割り込んできた。


 泣きすがるような、切羽詰まった響き。

 声色からして、そう歳はいっていないだろう。


 ──二十歳? いや、もっと……。


 考える間もなく、身体はその声の呼びかけに応じるように淡く光り始めた。


 黒く長い髪をかきあげ、透き通っていく手のひらをじっと見つめる。

 自分の輪郭がゆらりと暗闇に溶けていくのを感じながら、軽くため息をついた。


「悪魔を召喚するなんて、どこのどいつだ」


 青い瞳をわずかに細めた悪魔は、そう呟いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る