第8話 魔力切れにつき施設確認
照明用の光魔道具を作れはしたが魔力切れでダウン中。
「久しぶりに魔力切れになったな……」
頭がグワングワンと揺れているような気がする。初めのころの、錬金術を使い初めた時にはよく魔力切れになっていたことを思い出す。あの時は魔力も少ないのに残量も分からずに錬金して、良くぶっ倒れてたな。
「……頭いてぇ。でも何かしたいな」
本当だったら休んでいた方が良いのかもしれないが、何かして気を紛らせていたい。そうだな、丁度いいから施設について言葉にまとめてみるか?
「久しぶりにノートに書くか」
たしかあそこら辺の場所に置いてたような気がする。探すとすぐに見つかった。ペラペラとページを捲ると、錬金について書かれていた。
「これあれか。少しでも早く上達するために錬金の使用感や、素材についての詳しいことを書いてたやつだ」
錬金術師としての師匠がいなかったからそこら辺は独学で学んでいかないといけなかったし、初めのころは魔力が少なくて良く倒れていた。そのときも同じようなことをするために、ノートにまとめてたんだ。
「懐かしいなぁ」
その時のことを思い出してしみじみとしつつも、新しいページを開いてまとめる準備をする。切り替わりが早いかもしれないが、別に苦しい記憶ばかりだったから目をそらしたいとかではない。昔を思い出して泣くほど涙もろくはないだけだ。
「さてそれじゃあさっそくまとめていくか」
『魔造核創造施設』
これは魔造という造られたタイプ、例えば俺がよく使うゴーレム系の核を創る施設だ。予想だとホムンクルスやアンドロイドなんかにも適応できるはずだ。
そして肝心の核だが、まず一つは情報の受信や発信をすることができる情報核がある。情報の受信発信には専用の施設が必要だったり、ゴーレムが学習した情報でないとあまり意味がなかったりと条件がある。だがそのぶんいろいろと便利になるはずだ。
他の核としては属性核や制御核、そして魔法核なんかも生み出せる。属性核はエレメントの火・水・風・土・光・闇の属性をゴーレムに与える。制御核はゴーレム同士で部隊を組むために必要だ。魔法核は魔法の杖に使うことができるのは知っているので、たぶんゴーレムが魔法を使えるようになる。
「いろいろな核があるな」
『情報伝達施設』
この施設が情報核でやり取りをするために必要になる。情報核とのやりとりだけに注目していたが、情報の蓄積もできるようだ。他にも送られてきた情報を元に映像にしたりもできる。
「これなら俺が拠点にいながら指示を出せるから安全性が増すな」
『情報解析施設』
この施設は名前の通りに『情報伝達施設』に蓄積されている情報を解析するための施設だ。それ以外にも機械製品の解析なんかもできるようで、これがあれば記録媒体から情報を復元できるかもしれない。
「まあこれは後回しでもいいか」
『ゴーレム工房』
ここではゴーレムを自動で作ることができる。自動とは言っても最初の1体目は自分の手で作らないといけない。しかしこの工房ならホログラムで確かめながら作ることができる。それに特殊なゴーレムを作ることもできるみたいだ。
「なんかいきなりSFチックになったな」
ここまではゴーレムに関する施設だったが、これからは他の施設を見ていく。
『薬剤室』
ここでは薬草や毒草の成分を分析・抽出できる。また適切な温度になるように気温を変えたり、菌が入らないように滅菌状態になっている。また材料を入れれば自動で作れるようになっているが、品質が普通のCランクになるようだ。中に入ることができるタイプの施設でもある。
「でもポーションを使う生物がいないからなぁ」
『鍛冶場』
ここは金属を精錬したり、武器防具を作れる鍛冶施設だ。中に入ることができ、中がどれほどの高温でも外部には漏れないようになっている。今のところは錬金でどうにかなっているが、そのうち精錬できない金属が出るのかもしれないな。
『裁縫室』
糸を編んで布にしたり、糸を作るための施設だ。これはちょっと面白くて糸にできないものでも糸にすることができる。例えばドロップアイテムの『ゴブリンの角』があるのだが、これを糸にしてから布にできる。
「いろいろな糸を作ってみるのもいいかもな」
『鉱山』
もう名前の通り鉱山で、ここで鉱石が掘れるというか生み出す。今のところは鉄鉱石がほとんどでたまに銅鉱石が生み出される。
「鉱石が手に入るのは嬉しいな」
ちなみに鉄鉱石より銅鉱石の方がレア度も高く強い。というのも物理法則ではなく魔法法則・魔力法則の方が優先されるみたいで、魔力がこもった鉄と銅がぶつかると銅が勝つ。普通だとありえないので当時はニュースになったとか聞いた。
そして普通の鉄や銅を、魔力がこもった鉄や銅と偽って販売する詐欺も横行したとか。まあすぐに魔力の感じ方がわかって周知されたので、簡単に収まったらしい。
『薬草園』
ここも名前の通り薬草を育てるというか生えてくる施設だ。まあ薬草だけでなく、毒草も生えてくるのだが。
「とりあえず後で作っておいてポーションにして溜めて置いてもいいよな」
以上が解放された施設だ。いろいろとみたが、普通ではない施設もいくつかあったな。
「まあそもそもジョブやスキルが普通ではないからな」
そんなことを言いつつ、まとめたノートを見返す。まあひとまずはこれくらいでいいか。
気づいたら結構魔力が回復していた。これなら農業用の水を作る魔道具が作れるかな。
「さてもう少し頑張るか」
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崩壊した世界では錬金術師が万能です! 天星 水星 @suiren012
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