第14話

翌日の放課後。


ちょうど生徒会の仕事もないし、ホームルームが終わるとすぐに教室を後にした。


校舎を出ると、体育館から賑やかな歓声が聞こえてくる。


もうバスケの試合やってるのかな? 

急いで帰ろう。



「かすみ!」


後ろから声を掛けられたけど、構わず足を前に進めた。

誰なのか、声だけで分かったから。


「待てって」


ジャージ姿の健人が目の前に回り込んできた。


「なんで無視すんだよっ」


「私達、一年前に絶交したんだけど、忘れたの?」


「ごめんっ」


健人が勢いよく頭を下げる。


「何が?」


「あの時、友達と話してたの聞いてたんだろ。ちゃんと謝ってなかったから」


頭を下げたまま話す健人。


「あんなこと言うつもりなかったんだ。友達が俺達のことからかってくるから、つい……」


「いいよ、私が勉強しか取り得がなくて可愛くないのは本当だから」


「そんなことないって。眼鏡外したら、結構可愛いって」


それって、眼鏡かけてたら可愛くないってことじゃん。


謝るんだったら、もっと言いようがあるでしょ。

でも、健人って昔から正直なんだよね。

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