幼なじみ

第12話

『かすみ、元気か?』


『明日、バスケ部の練習試合でかすみの高校に行く』


『応援に来いよ』


次々届くラインをうっかり見てしまった。


相手は隣の家に住む幼なじみの健人。


一年前に絶交したはずなのに、どうして普通に連絡してくるかなあ。私が人間不信になったのはこいつのせいだというのに。



あれは、中三の一学期。


一緒に帰ろうと健人のクラスのドアに手をかけた。


その時聞こえた健人の言葉。


「付き合ってなんかねえよっ」


「毎日、安西と登下校してるんだろ。もうそれ付き合ってんじゃん」


冷やかすような友達の声。


小さい頃から家族ぐるみで仲が良くて、まるで兄妹のように育って、それは小学校からの習慣なだけなのに。


「あいつが誘ってくるから仕方ないだろっ」


「とか言って、好きなんじゃねえの~」


「あ、あんな、勉強しか取り得がないような女、好きじゃねえよ」


「え~、結構可愛いじゃん」


「お前、あいつが可愛いとか、どこに目え付けてんだよっ」


……酷いな。

今まで何でもわかり合えて、一番の友達は健人だと思っていたのに。

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