第11話 掲示板の反応と極秘依頼

【F級】天城滅也について語るスレ part44


276 名無しの通行人 

さっきの配信みた?


277 名無しの通行人

やばかった


278 名無しの通行人

てかスレタイ変わってるやん

名前判明したんか


279 名無しの通行人

謎の男表記から天城滅也へ


280 名無しの通行人

水沢みなみの配信で分かったんよ


281 名無しの通行人

A級の魔物を虐殺しまくる姿は面白すぎたww


282 名無しの通行人

>>281

な? 言ったろ? 

やっぱりこいつは本物だったんだよ


283 名無しの通行人

俺は未だに“ホンモノ”だと思ってるぞ


284 名無しの通行人

あのレベルまで映像を加工できる奴なんておらんやろww

最強のF級探索者爆誕や!


285 名無しの通行人

>>284

覚醒者がいる今そうとも言えないんだよなぁ


286 名無しの通行人

未だS級探索者の発言はないんよな

早よ動き出さんかな


287 名無しの通行人

S級探索者は周りなんてどうでもいいって思ってる、自己が強い奴が多いからな……


288 名無しの通行人

A級探索者は未だ否定的な意見出してる奴多い


289 名無しの通行人

>>288

俺たちより解像度が高いからそう思うのか、嫉妬によるものなのか……


290 名無しの通行人

いつも明るいみなちーが天城滅也に翻弄されてゼーハーゼーハー言ってるのウケたわ


291 名無しの通行人

自分で走れる市中引き回し状態で草


292 名無しの通行人

可哀想な女の子は推せる

だよなぁ!!!?


293 名無しの通行人

>>292

同士(ガシッ)

裏切られて絶望してる女とかめっちゃいいよな


294 名無しの通行人

>>293

あっごめん、それは分かんないわ……


295 名無しの通行人

ハシゴ外されてて草


296 名無しの通行人

流石にこんな歪なハシゴは渡れない


297 名無しの通行人

天城滅也のこと俺は未だに信じてない

何かカラクリがあるはず


298 名無しの通行人

あの動きはリアルじゃないと出せないものな気がするが……


299 名無しの通行人

基本は殴ってるだけだったけど、細かい所で多彩な動きしてるから見ていて飽きなかった

俺はあれが真実の映像だと思ってる


300 名無しの通行人

F級が強いってのがそもそもおかしいのよ

その時点で信じるに値しない


301 名無しの通行人

S級はよ

闇岡とかそろそろ発言してもいいやろ


302 名無しの通行人

闇岡は多忙だからなぁ……

どうだろうか


303 名無しの通行人

インフルエンサーの自覚持ってー





 ◇





「天城滅也を暗殺してこい」

「ほう」


 ダンジョン大臣の峰利みねかがは、自らの執務室で密会を行っていた。


 峰利の目の前にはまるでカラスを彷彿とさせる真っ黒な衣を纏った男が立っている。


 その男はこの国に9人しかいないS級探索者の1人、闇岡羽流斗やみおかはると


 世間にはS級探索者兼マジシャンとして知られている。


 表舞台でも広く活躍する人物であるが、それは仮初の姿。


 コードネーム“クロウ”の名がつけられた彼は、ダンジョン省直属の暗殺者である。


「B級探索者を助けたF級探索者か」

「ああそうだ。ネット上で話題になっている奴を殺すことが今回の仕事だ。私は奴には消えてもらう方が都合がいいと判断した」


 峰利は執務机の上に両手を組む。


「S級はS級。F級はF級の役割を果たして今まで上手くいっていたのだ。その均衡を崩そうとする奴を放っておくわけにはいかない。奴の実力が嘘が本当かなど些末な事だ」

「この前の配信で決断したのか?」

「いや、最初の配信の時点でもう決めていたよ。こいつは消すしかないとな」

「ふむ。まぁ理由はどうでもいい。俺は仕事をこなすだけだ」

「ふふっ、実力はもちろんだが、私はその冷酷さを買っているんだ」


 クロウは頼まれた依頼は必ずこなし、誰であろうと容赦なく殺害する。


 S級探索者としての卓越した身体能力と過去に多くの人間と対峙した経験による暗殺技術が合わさり、こと人を殺すことにおいては右に出る者がいないと峰利は確信していた。


 実際、過去に何人ものA級探索者を葬っている。


 峰利は今手に入れている天城滅也のデータをクロウに渡す。


「では頼んだぞ、探索者きっての暗殺術を持つ男、クロウよ」

「承った」



 峰利が瞬きをした瞬間、クロウは無音でその部屋から姿を消していた。


 それを確認した峰利は背もたれに体重を預け、口角を大きく上げた。


「はは、恨んでくれるなよ。私の地位を守るために死んでくれ。F級」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る