第28話

「ぎゃぁ~~~!!」




私は、いきなり寝室の入り口から男の声が聞こえたので、びっくりして悲鳴をあげてしまった。




そこには、少し微笑みながら信一が立っていた。






「綾子、また妄想してた?」





そう言いながら、ボストンバッグを肩から下すと、

ベッドの端に座り、涙で濡れている頬を優しく触れて、指で涙を拭った。




私は、枕を抱き締めたままベッドに座り、頬をふくらませた。







「妄想じゃない・・・。と思う」






「じゃぁ、なんで泣いてたか聞きたい」





信一は、枕を抱えてる私を枕ごと抱き締めて、頭を撫でた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る