憂鬱タイムリープ
@itityanneru
第一章
私の将来を決める時刻が訪れた。2025年3月10日午前11時59分、自室の勉強机に置かれた古いパソコンの前に私は一人で座っていた。自らの心臓の鼓動だけがその瞬間の重みを伝える。パソコンの右下にある時計がようやく12:00の文字を表示する。私は震えて力の入らない右手で合否を教えるサイトをクリックした。合格者の受験番号が並ぶ。私はゆっくりと画面の下に目線を向けて、自分の番号を探す。やっぱりなかった。一度サイトを閉じてもう一度開く。何度確認しても私の受験番号は表示されていない。私が持っていた淡い期待も気づいた時にはすでになくなっていた。私はこの貴重な数年を無駄にしたことをようやく実感した。私の人生が狂い始めたのは中学生の時だ。間違いなく自らの手で狂わせた。中学2年の3月、私は塾の統一模試で全国9位の成績をたたき出す。その頃の私は県内どころか日本有数の進学校を志望していた。その高校以外に進学することは考えられなかった。しかしこの時、この成績は私の努力によって積み重ねられたものではなかったということには私を含めて誰も気づいていなかった。結論から言うと、その時から私の成績は下降の一途をたどることとなる。周りが必死に志望校合格に向けて突き進む中、私の勉強に身が入ることはなかった。時が過ぎて私は志望校に落ちて、併願で受けた県外の私立高校に通うことになった。相変わらずそこでも私が努力をすることはなかった。それどころかしばらくすると、私は高校に通うことさえできなくなった。自信も目標もなく自室に引きこもり、昼夜逆転をする毎日を繰り返す。すぐに高校を辞めさせられて、近くの通信制高校に転校した。未来への期待が失われた私に残ったものは、過去への執着心と根拠のないプライドだけであった。そこまで落ちても私は本来するべきだった努力を行うことができなかった。
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