第16話

「ロウは5年も私を住まわせてくれた。まともじゃないよね。私のことなんとも思ってないとかないよね」



「女友達だったら1年住まわせてくれるかも分かんないだろ、葉月。男は女ならヤれるから匿うんだよ」



――!?



なんだと。ロウは私の身体目的だったと言いたいのか。


ダン! とテーブルを叩きたい気分だったけどやめた。演技くさい。



「でも私、ロウと寝てない。もう2年くらい」


「なんで」


「なんでは私が聞きたいわ」



「じゃあ飽きたんだろ、お前に。よそに好きな女が出来たって男は別の女抱ける。お前が嫌になったんだろ」



「待って待って待って嫌だ違う。違うってそれは。なんで? なんでそんなこと言うの。おかしいよね。他の女抱けるならその他の女って私だよね? 私と寝てない2年間、なんで私を追い出さなかったの」



理解不能。

私が頭悪いだけかな。



「さあ。追い出すの可哀想だったんじゃない? お前ら、仲良かったみたいだし」


「……なるほど」


「それで今回、出てってくれて清々してるってこともありうる」




「ああああああああ聞きたくなーい!」




2年間抱かれなかった理由。


興味はないけど追い出すのは可哀想。ああロウは優しいから。なんで納得してるんだ私は……。

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