私と魔法と魔女先生

@schouinkischinami

プロローグ 【Teacher's Morning】

ん……ふぁあう。」

 朝。穏やかな日差しを浴び、寝ぼけ眼を軽くこすりながら、わたしは目を覚ました。ベッドから身体を起こし、寝巻きからシャツに着替え、洗面所で顔を洗ってから朝食の支度をしにキッチンに向かった。かちゃかちゃと音を立てながら鍋や皿の用意をして、ショートパスタを戸棚から、冷凍のミックスビーンズを冷凍庫から、ベーコンを冷蔵庫から、それぞれ取り出し、適当な量を鍋に放り込み、野菜室に仕舞ったトマトジュースを注ぎ、コンソメを適量入れ、軽くかき混ぜてから火に掛ける。手抜きのミネストローネだ。作っている間にヤカンに水を入れてこちらも火に掛ける。リーフティーとティーバッグで一瞬迷った後、ティーバッグを選択し、ティーバッグが入った箱とティーポットを戸棚から取り出し、置いた後、箱からティーバッグを取り出し、しばし待つ。湯が沸いたら、ティーポットに湯を注ぎ、次いでティーパックを入れ、茶が蒸れるのを待つ。その間に出来上がったミネストローネをお椀によそい、冷蔵庫から牛乳を取り出してティーカップに注ぎ、ティーカップとミネストローネとティーポット、それとスプーンをお盆に乗せ、ダイニングのテーブルまで運ぶ。そしてそのまま席について準備は完了。

「よし。いただきます。」

 手を合わせ、スプーンを手に取りミネストローネを口に運ぶ。程よい熱とトマトの酸味が口の中を満たし、心と体がほっと温まったのを感じながら食事を進める。我ながら満足のいく出来だ。ミネストローネを楽しみつつ、合間合間で紅茶を飲む。ミルクティーに仕立てたそれは、ミネストローネと合わせて、日差し麗らかながらまだ肌寒い春の朝を程よく温かく過ごすのに丁度良く感じられて、わたしを大いに満足させた。

「ごちそうさまでした。」

あっという間に食べ終わり、満足したまま食事を終え、食器を洗い、片付けたわたしは寝室に戻ってジャージに着換え、玄関でサンダルを履いて家の外に出ると、家のすぐ隣にある庭園に入った。プリムラやスミレなどの花々、ラズベリーやブルーベリー、ツツジ、バラなどの低木、そして数本ながら堂々と生えているリンゴやウメなどの果樹がわたしを出迎える。我が家自慢の庭園には、今日も変わらず草木が息吹いている。わたしは庭園の中心部付近に近づき、そこに設置した、園芸用シャワーヘッドの着いたホースを手に取り、なるべく植物ではなく土に掛かるように水をやった。しっかり土が湿ったのを確認し、庭園を離れる。庭園を離れたわたしは手を洗い、ジャージを脱いでお茶を一杯口に付け、再度寝室へ向かうと、今度は仕事着に着換えた。そのまま鞄を持つと、最後に一杯お茶を飲み干して玄関に向かい、靴を履く。外に出て、正面に向くと、満開の時期をそろそろ超えようかという頃の桜がわたしを出迎えた。

――さて、それでは、今日も一日、この学び舎でのわたしの仕事を始めよう。

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